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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド - フィンセントさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
レビュワー フィンセントさん
点数 8点
投稿日時 2020-09-09 15:19:57
変更日時 2021-03-02 11:05:04
レビュー内容
リックとクリフの、日常会話的な特に緊迫感もないダラダラとしたやりとりが延々と続き、
クリフがヒッピーの牧場でグダグダしているあたりで、

「これっていつまでこういうテンションのままなんだよ…」

と思い、途中放棄しそうになって一時中断。

(タランティーノ作品は結構好きなほうなので、。どうでもよさそうなグダグダ話は慣れてはいるのですが…苦笑)


「でも放棄する前に、みんなの評価はどうなのか見ておこう?」

と、こちらで感想を拝見。
すると、シャロン・テート事件を知っておくべきとのご意見多数。
それならばと、いったんその事件について調べてから、あらためて続きを鑑賞することに…。


するとまぁあら不思議!

ただのキレイなねーちゃんだと思っていただけのシャロンの一挙手一投足に

「あぁ、間もなく惨殺されるのに、何も知らず可哀そうに…」と、いい感じに気持ちが入り始めたではないか。

シャロンが自分が出ている映画を見て、自分の登場シーンの会場のウケ具合にうれしそうにしたり、
夫のために「テス」の初版本を本屋で買うという、なんということもない場面さえ、シャロン・テート事件を知っておくと、すべて

「あぁ、間もなく殺されちゃうのに…」

と、どんなシーンでも感情移入。



そして、運命の時間へのカウントダウン開始!!
(めっちゃ気持ち入る笑)

シャロン・テートとお友達セレブご一行のホームパーティーの様子と、
場末のダイナーで飯を喰らってダべってるリック&クリフの行動が、交互にテンポよく映し出されていくのが小気味いい。


このあたりからは、まばたき一つできないほど一気にグワーっと引き込まれた。


「あぁ…いよいよ惨殺始まるよ…タランティーノ仕立ての、血みどろグチャグチャのマーゴット・ロビーを見ることになるよ…」


ところがどっこいのタランティーノ笑

まさかの”家違い”で、ポランスキー・ハウスのお隣さん、リックのおうちにポランスキー宅を襲うつもりのヒッピーがやってくる笑


そして、ヒッピーにやられるどころか、LSD漬けの葉っぱでラリったクリフが、愛犬と共に、やつらを血みどろグチャグチャにするわ、リックは気が狂ったヒッピーを火炎放射器でこんがりローストにしちゃうわ…


史実を軽やかに変え、伏線回収も鮮やかな、最高にウケる見せ場を持ってきてくれました笑

”落ち目の俳優と、連れのスタントマンの物語”

”シャロン・テート事件を扱った映画”

という2つのヒントだけ観客に与えつつ

”シャロン・テート事件”は”落ち目の俳優と連れのスタントマン”によってなかったことになるという、ストーリー上の大どんでん返しではなく

「当然、シャロンは殺される」という観客の思い込みをひっくり返す、変化球的な大どんでん返しで来るとは…タランティーノってやつはまったく…笑



(wikiの映画説明でも、”シャロン・テート事件を背景に”という、この映画では彼女は事件に遭わないという肝の部分までは分からないぼんやりとした説明の書き方の理由が、この壮大な大どんでん返しのネタバレ回避のためだと後で合点)

タランティーノ監督の代表作のひとつ「イングロリアス・バスターズ」では、”ナチスに恨みを持つヒロインが映画館でヒトラーを焼き殺す”という、史実と異なるヒトラー惨殺の見せ場を作ったくらいなので、今作の”シャロン・テートの隣人宅に間違って押し入った犯人たちが逆に惨殺される”という脚本も、問題なくスムーズに楽しめた。



「イングロリアス・バスターズ」に出演したブラピと「ジャンゴ~繋がれざる者」に出演したレオのW主演の今作。
それぞれの出演作では、ワルを殺す見せ場をメラメラと燃え上がる炎(前者は劇場、後者は邸宅)で演出していましたが、今作でもばっちり火炎放射器でメラメラと印象的な場面を作ったわけですね。


そして最後に訪れるシーンも秀逸。
リックがポランスキー邸に遊びに来ていたシャロンの男友達としゃべっている時に、シャロンがゲートについているインターホンで、普通にリックと話し始め、一緒に飲みましょうとゲート内に招き入れて、玄関前で抱擁…。

もし、あの日、カルト集団の殺人グループがポランスキー邸ではなく家違いで隣に押し入っていたら…?

もし、あの日、間違って押し入った家で待ち構えていたのが、筋肉隆々のスタントマンの体育会系男子(しかも葉っぱでラリってる)と、あのおっかない犬と、火炎放射器プレイヤーだったら…?

そういう想いが胸をめぐらずにはいられない、感傷的にさせるラストシーンだった。
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投稿日付邦題コメント平均点
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