みんなのシネマレビュー
2分の1の魔法 - 鱗歌さんのレビュー
◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

タイトル名 2分の1の魔法
レビュワー 鱗歌さん
点数 9点
投稿日時 2020-08-23 12:28:34
変更日時 2020-08-23 12:28:34
レビュー内容
まずはこの、溢れ出んばかりのサービス精神に、ありがとうと言いたいですね。
伏線の回収、などというと安っぽいけれど、劇中に示される様々なモチーフが、思わぬ場面、思わぬ形で再登場して嵌るべきところにピタリとハマり、驚きや感動を呼び起こす。100分少々の作品に対していささか詰め込み過ぎて、オハナシがどんどん進められてしまい、もうちょっと余白とかタメとかがあってもよいのでは、とも思わなくはないですけどね。ただ、基本的にはここで再現されているのはRPG的な世界、だから展開がやや機械的になるのも仕方ないですかね。というよりここでは、ガサツで大胆な兄貴に対する、臆病で決断力に乏しい弟(主人公)、という対比があって、この本作の展開の早さから我々は「兄貴になかなかついていけない弟の気持ち」を共有することにもなります。
大体、「魔法で亡き父を蘇らせるチャンスは明日の日没まで」というタイムリミットだけでも充分に物語になり得るのに、「魔法不足で今は下半身しか蘇ってません」というヒネリ、どうやったらこんなコト思いつくんですかね。この下半身だけの父親の存在ってのがとにかくナゾで、本人はどういう状態で何を考えているのか(そもそも意志があるのか)最後までワケがわかんない存在なんですけれども、とにかくユーモラス。周囲の目をごまかすためにダミーの上半身を付けられてさらに動作がカオスとなり、笑いを呼びますが、一方で下半身だけあればダンスはできちゃって、親子共演と相成る感動も。
この作品の世界では様々な外見の登場人物が普通に入り混じって暮らしており、「外見での差別」という問題は解決(あるいは保留)されている世界なのですが、母親が付き合う男、つまり将来の父となるやも知れぬ男は、下半身が馬になっていて、主人公家族とは異質な存在。この男には無い「2本足の下半身」のみが復活するという設定は、ユーモラスでありつつも、何となく引っかかりも感じさせます。
そしてだからこそ、この将来の父も、必然的にストーリーに大きく絡んでくることになります。彼は旅に出た兄弟をこれ見よがしに心配して見せたりはしないけれど、彼らの冒険に振り回されることが、家族の一員になるための通過儀礼ともなっています。兄のポンコツ車のバンパーは簡単に外れてしまい、兄のガサツさを示す一方で、別の場面では将来の父に対する道標にもなる。1つのモチーフが複数の意味を帯びる瞬間。
あるいはポンコツ車の中に大量にある違反キップもまた、兄のガサツさの表れだけど、たくさんのそれが撒き散らされるシーンでは、何だかポンコツ車の涙のようにも見えて。
その他、様々なモチーフが様々な形で再現し、映画を彩るのだけど、そんな中でも、テーマは単純に「家族愛」というものを、ストレートに描き切っています。いや、「家族愛」と一言で言えば単純だけど、実は「家族愛」には多様な側面があるのだ、という事が、ここでは見事に描かれています。
優柔不断な弟が最後に見せる決断。この決断があってこそ、彼が、そして我々が、垣間見ることを許される、美しい瞬間・・・
鱗歌 さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-05-06ベイビーわるきゅーれ76.71点
セルラー97.09点
騎兵隊86.00点
風来坊探偵 岬を渡る黒い風76.00点
恋愛準決勝戦87.10点
2024-05-05悪魔の赤ちゃん3 禁断の島74.75点
2024-05-04アルティメット76.22点
2024-05-04ゆすり(1929)95.63点
2024-05-01デッド・ドント・ダイ74.88点
2024-05-01ストレンジャー・ザン・パラダイス87.13点
2分の1の魔法のレビュー一覧を見る


Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS