|
タイトル名 |
山猫 |
レビュワー |
Balrogさん |
点数 |
10点 |
投稿日時 |
2010-10-01 15:34:25 |
変更日時 |
2010-10-01 15:34:25 |
レビュー内容 |
完全版で鑑賞。一大叙事詩という意味では「バリー・リンドン」と似ている。こちらはもっと人物描写に力を入れながらも、一つの時代の終焉を描く。時代の終焉とはすなわち、その時代の象徴であるサリーナ公爵の内面の死を意味する。ラスト、大舞踏会のシーンでサリーナ公爵が予感する「老い」や「死」とは決してサリーナ公爵という人物の死という意味のような生やさしいものではない。自分の生きてきた、信じてきたイデオロギーの死を確信しているのである。重厚な演技と相まって、えもいわれぬ哀愁と尊厳をそこに感じる。また、この時代考証と徹底的な絵作りは凝っている、なんてレベルではなく、1860年代当時のイタリア(もちろん見たことはないが)そのものである。 |
|
Balrog さんの 最近のクチコミ・感想
山猫のレビュー一覧を見る
|