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タイトル名 |
奇跡の海 |
レビュワー |
クルシマさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2007-08-31 23:16:20 |
変更日時 |
2007-08-31 23:16:20 |
レビュー内容 |
ラストにはどうも違和感を感じてしまう。べスにとって一番の救いであるはずのヤンの回復は全くと言っていいほど強調されず、あるはずのない鐘の音が鳴り響くという、それまでとは打って変わって作為的な演出。これはヒューマンドラマとしての体裁を保とうとしているだけで、トリアーが本当に描きたかったのは、その危険なまでの純粋さによって傷ついていくべスの姿にあることをほのめかしているようにさえ思えてしまう。個人がどんなに自分の信念を貫こうとしても、それを阻もうとする社会の重圧には耐えられないのではないか。それを肯定的にとるか否定的にとるかは観客次第だが、そう問いかけること自体に意味があるような気がする。 |
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