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キル・ビル Vol.1(日本版) - BOWWOWさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 キル・ビル Vol.1(日本版)
レビュワー BOWWOWさん
点数 9点
投稿日時 2009-11-29 01:44:37
変更日時 2010-05-13 17:51:50
レビュー内容
皮膚を突き刺し血を吸う蚊、着火する銃弾、そして美しいユマ・サーマンのあまり美しくない外反拇趾。それらをシネマスコープの巨大スクリーンぎりぎりいっぱいに接写するタランティーノは、世紀のバカだ。かつてカンヌまで制したこのバカは憧れのルーシー・リューを起用したいばっかりに、カタコト日本語がせいいっぱいの彼女をあろうことかジャパニーズヤクザの女親分の座にゴリ押しし、異を唱える日本人代表としての田中の親分=國村隼の首をバッサリはねて片付けてしまう。ルール無用なこのバカはそうしてまさにユマ・サーマン扮する主人公×××よろしく、悪趣味なプッシーワゴンに乗って自らの信じる道をひたすらに危険な曲乗りで爆走するのだ。ブライアン・デ・パルマばりの分割画面だの、ダリオ・アルジェントばりの色彩マジックだの、深作欣二ばりのバイオレンスだのにはじまり、闘う制服美少女モノから梶芽衣子主演映画に至るまで、俺的フェイバリット・ムービーに節操なく熱烈なオマージュを捧げまくるバカ。そんな世界一幸福な映画オタクとしてこのバカな映画監督が描き出すのは、服部半蔵が寿司屋兼刀鍛冶としてOKINAWAに潜伏し、日本刀ホルダー付きのシートが用意された航空機AIR Oが首都TOKYOのネオン街を低空飛行するトンデモ大国ジパング。そして悪趣味で出鱈目でいてどこか魅惑的なこのパラレルワールドを孤高に勇往邁進するユマ・サーマンの姿だ。彼女はそんな異界におけるさらなる異物として、二重の孤独を抱えそこに立つ。その姿はバカバカしいけど美しい。『修羅雪姫』や『女囚さそり』のように「復讐」を美しく描くためには、卑劣な敵にも真っ向から臨む気高い志と生命を賭した文字どおりの死闘が必要なことを、このバカはバカなりに知っているのだ。たとえ18禁ゲームのような醜悪さではあっても、満身創痍になりながら人を斬るサムライ気取りのこの細長い白人女は、その暗い瞳にちゃんと梶芽衣子の魂を宿している。タランティーノはよっぽど梶芽衣子が好きなんだろうな、と思うと、ちょっと泣けてくるほどだ。(それなのにバカバカ言っちゃってごめんねタラちゃん。 でも一転、変態殺人鬼と同じレベルに堕ちて「復讐」を乱痴気騒ぎで楽しんじゃう最新作『デスプルーフ』は美しさのかけらもなくてただただ不愉快なだけだったよ。)
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投稿日付邦題コメント平均点
2019-02-25バーニング 劇場版107.00点
2018-08-12リバーズ・エッジ85.33点
2013-05-25青春神話108.33点
2013-05-02エドワード・ヤンの恋愛時代1010.00点
2013-04-28恋恋風塵97.00点
2013-03-09楽日106.00点
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2011-04-02エターナル・サンシャイン96.60点
2011-01-18ソーシャル・ネットワーク76.53点
2011-01-02ファイト・クラブ97.38点
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