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タイトル名 |
タクシードライバー(1976) |
レビュワー |
ちかさん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2004-07-24 18:18:20 |
変更日時 |
2004-07-24 18:18:20 |
レビュー内容 |
タクシードライバーの冷え冷えとした視線を通してさらけ出されたアメリカの恥部。売春婦やポン引きを「クズ」と言い捨てるペシミスティックな主人公は、しかし端からみれば同様に、ポルノを見て自分を慰めているような孤独な「クズ」でしかない。しかし彼が周囲と決定的に違った点は、彼には「自分は何者でもない」という焦燥感があったことだ。私にはこの「nothing」という焦燥感が痛いほど分かる。そして彼は拳銃に執着する。拳銃を通して、病める社会に反撃し、自己実現していく。髪をモヒカンにしたあの一件で、みごと「男」になったのである。あっぱれ。「セックスの貪欲さ」という点では、ニューヨークも日本も然程変らないと思うが、このような批判的視線を持ち得、それがヒットするだけ、アメリカ人のほうがまだまともなのかもしれない。 |
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