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狂った果実(1956) - ゆきさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 狂った果実(1956)
レビュワー ゆきさん
点数 6点
投稿日時 2016-08-04 06:22:58
変更日時 2016-08-04 06:24:06
レビュー内容
 「要するに退屈なのよ、現代ってのは」という台詞が、六十年前の映画にて発せられている事に驚きです。

 2016年を迎えても、未だに「退屈な現代」が続いているように思える今日この頃。
 ですが、退屈を感じる事が出来ない社会というのも、それはそれで落ち着かない気がするので、恐らくそれは歓迎すべき事象なのでしょうね。

 本作の登場人物も、腹が減れば食事し、トランプで賭け事を楽しみ、海に出掛けてボート遊びに興じてと、一見すると裕福な、満たされた生活を送っているように思えます。
 それでも若者特有の倦怠感、人生の諦観からは逃れられないみたいで、何だ哀しくなってきますね。
 作中にて「時代遅れの年寄り」を皆で貶すシーンがあるけれど、この時代の若者達も、今では老人となり、現代の若者から白い目で見られているのだろうなと思えば、実に興味深い。

 これが初主演作となる石原裕次郎に関しては、後の「嵐を呼ぶ男」などと比較してみても、まだ演技は拙い印象ですね。
 他の出演陣にしても、年配の演技巧者が少ないせいか、全体的に棒読みに聞こえてしまう台詞、わざとらしい動きに思えてしまう場面が多かったりもして、そこは残念。

 ただ、時代を越えて眩しさを与えてくれる「モノクロ映画の中の光」も確かに存在していて、それをおぼろげながらも感じ取る事が出来たのは、嬉しかったです。
 先駆性の高い作品ゆえか、細部が粗削りで、現代の作品ほど洗練されていないのが気になったりもしたけれど、それもまた新鮮な感覚。

 「ご縁と命があったら、また会いましょう」なんて台詞を、劇中の人物が、さらっと口にする辺りも御洒落ですし、裕次郎演じる夏久が、ヒロインの恵梨に頬を叩かれた後、無言で抱き締めてキスをする件も良かったですね。
 後者に関しては、今となっては見慣れた演出なのですが「もしかして、この映画が元祖なのかな?」と思えるくらいのクオリティを感じられました。

 衝撃的なラストシーンに関しても、大いに評価したいところなのですが、主人公の弟が冷徹に狂うまでの描写が、やや不足気味かも。
 もう少し濃密に、兄に対する猜疑心や劣等感、ヒロインの恵梨に対する愛情や執着などを描いてくれていたら、もっと感動出来たように思えます。

 そんな長所と短所が入り乱れる本作にて、最も印象深いのは、裕次郎が甘い歌声を披露する場面。
 演技の巧拙などを超越した「大スターの片鱗」を窺わせてくれる、忘れ難い瞬間でした。
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