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タイトル名 |
セコンド/アーサー・ハミルトンからトニー・ウィルソンへの転進 |
レビュワー |
鱗歌さん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2019-03-31 19:00:07 |
変更日時 |
2019-03-31 19:00:30 |
レビュー内容 |
実験的とも言える怪しさ満点の映像が、我々を不条理世界へといざないます。物語は、主人公がひょんなことから整形手術を受け、全くの別人として新しい人生を歩む、というサスペンスですが、正直、彼がなぜそういう選択をしたのか、を説明する描写はこれと言ってありません。しかし、この不条理感あふれる映像こそが、その不条理な物語に何よりも強い説得力を持たせています。 それに、随所に登場する奇妙なまでにしつこい描写。例えばあのハダカ祭り。どんな理由付けよりも、こういったしつこい映像が、主人公にある選択をさせ、同時に実は主人公を束縛している。 理由がないから必然性がある、という逆説。理由がないからこそ、迷いがあり、理由がないから、逃れられない。 ラスト近くの、拘束されたロック・ハドソンの必死のあがき、その描写のしつこさは、映画自体の叫びを聞くような。 これはスゴイ映画だと思います。 |
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