2.この作品は宮崎康平の半生を描いた作品ではあるけど、視点を奥さんの方に置いた構成にしたのは正解だったと思う。
もし宮崎康平が主人公だったら、とてもじゃないけど感情移入できそうにない人物像でした。
吉永小百合の存在感が圧倒的なので、竹中直人がどんなに暴れまわっても包み込んでしまうような包容力が感じられ、作品としてのバランスが取れていたんじゃないでしょうか。
それでも、肝心の内容はと言うと、そんなに面白いものではなくて、結論としてもやっぱり邪馬台国は畿内なんじゃないだろうかと思えてしまったので、九州説への洗脳にも失敗してるような気がする。
まぼろしの邪馬台国の畿内説バージョンみたいなものがあれば、説得力のある歴史ロマンを感じられたと思うんですけどね。
逆に言うと、九州説を支持する人が見たなら、この作品は名作となり得るのかも知れない。