8.黄色の鮮やかさ。全体のくすんだ色調の中で、ハッと目を引く。黄色とは、そもそも「黄昏」とか「黄泉の国」とか、日本では時間の終わりや死のイメージを含んで、淀んだドローンとした雰囲気を帯びがちなのに、この作品での死=黄色い花びらは、実に鮮やかなんだ。死者が明確に存在するのと同じ。監督の当時の心境の表われか。逃げつつ戻ってしまうというのは彼の生涯のモチーフで、共同体への愛憎が感じられる。記憶喪失のエピソードが一番いい。忘れてしまうことへの恐れがあり、忘れられてしまうことへの恐れもあり、その不安の中でかぼそく睦みあっているのが、なんと愛なんだな。今まで北方志向だったのが南方に向き、装飾性も控え目で、神話的なメロドラマを強調し、異質の手触りとなった。病をおして撮った映画ということで、とかく「遺言」的な見方をされたものだったが、監督はさらなる新境地を目指していたのかも知れない。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 7点(2013-04-10 10:02:35) |
《改行表示》7.寺山修司の世界はシュールでなかなか共感できない。 この作品はあまりに難解でお手上げ状態。 なので、いくつか解説サイトをあさってみたが…。 理解しようとしてもう一回見直す気にもなれず。 【飛鳥】さん [ビデオ(邦画)] 3点(2013-01-12 22:57:48) |
《改行表示》6.演出や映像は面白いし、キャスティングもいいのだが、わからない。全然わからない。 日本の昔ながらの根深い土壌を題材にしている部分だけはわかるのだが、 出演者たちが話す方言もよくわからない。たぶん監督さんだけは理解してるんだろうけど、 とっかかりさえも見出せず、再鑑賞してまで挑戦しようという気力が湧かなかった。 要するに完敗の映画です。 【MAHITO】さん [DVD(字幕)] 4点(2012-01-09 20:57:38) |
5.昔、映画館で観たけど、忘れてたので。DVDで観てみました。なかなかのモンです。言いたいことはよく解かったけど。今、こういう映画を作っても金にならんだろうな・・・ 【カーヴ】さん [DVD(邦画)] 6点(2007-02-12 20:46:31) |
4.山崎努さまの作品は全部チェックしたいので、借りて見ました。努さまが出ていなければ難解すぎて途中で挫折していたと思います。不思議な映像の数々に嗚呼、私のような凡人には寺山修司の芸術はわからんわ・・・。ちょっと人にはすすめられないかな。 【鉄】さん [DVD(字幕)] 5点(2005-10-30 15:28:11) |
3.いよいよマザー・コンプレックスから卒業して、少し前に克服した田舎者コンプレックスを発展させた形で描く寺山修司流都市論(という個人的解釈)。しかし、その表現手法は10年前の「田園に死す」から全く進歩していない。80年代も中盤に差し掛かり、昭和も終わろうとしている頃、時代の空白期間・70年代に咲いたアングラ・カルチャーという見捨てられた徒花を頑なに守り通そうとしたのは何故か? 気狂いや片端や乞食を使って何を表現したかったのか? いつまで勘違いしているのか? 気狂いを、片端を、乞食を使うのではなく、彼ら自身を描くことにこそ意味があるということが遂に解らなかったのか? それとも、デヴュー作で自己否定した異能作家は、時代に見捨てられたくて同じことを表現し続けたのか…、4点献上。 【sayzin】さん 4点(2004-09-24 16:11:48) |
2.寺山修司さんの遺作ですが一番難解な映画でした。百年経てばきっと解るのでしょうか? |
1.美術、映像ともかなり洗練された印象があり、この映画の中の土俗的な風情の小さな村は、100年の後、都市の中に埋もれていったが、グローバルな世の中の中でこれから100年後の日本という箱舟は何をめざし、何処へ行くのかを問いかけているようでした。 【亜流派 十五郎】さん 10点(2004-03-16 00:13:15) |