5.「特攻野郎Aチーム」のテレビ放映を観ていたのは、どうやら4、5歳の時らしい。
具体的な内容はほとんど覚えていないけれど、大好きなテレビ番組であったことだけははっきりと覚えている。
たぶん、自分の意志で観ていた生まれて初めての海外テレビドラマだっただろうと思う。
今なお人気の高い往年のテレビシリーズを、今になって映画化することは、リメイクブーム全盛の映画界であっても非常に困難なプロジェクトだったと思う。
多くの人たちに愛されたシリーズとそのキャラクターたちを、もう一度観てみたいと思うと同時に、新たに描き直されたものに対して違和感を覚えないはずが無いからだ。
実際、違和感は確実にあったと思う。
が、そんな違和感は早々に吹き飛ばされる。
映像技術の進歩により、ド派手なアクション映画なんてものはもはや溢れ返っている。
あらゆる映像表現が可能となった今、単にアクションの派手さなどで驚くことは、実際少なくなってきている。
そんな中にあって、久しぶりにアクションシーン自体に心から興奮した。
ただのド派手なアクションシーンではなく、“馬鹿馬鹿しいほどにド派手なアクションシーン”に高揚するあまり、映画の中の“特攻野郎”たちと同じように、笑いが止まらなかった。
あの高揚感こそが、この映画のすべてだと思う。
正直なところ、遠い昔に観ていたテレビシリーズの愛着を汚されるのではないかという危惧もあった。
しかし、純粋に追求されたこの映画の娯楽性は、まさしく「特攻野郎Aチーム」のそれであり、映画を観終わる頃には、すっかりリーアム・ニーソン率いる現代に蘇った「Aチーム」が大好きになっていた。
あの懐かしいテーマ曲と共に流れるエンドロールを観ながら、何よりも悔やまれたのは、売店で買ったポップコーンを上映予定作品の予告編が終わるまでに食べ切ってしまったこと。
この最上級の“ポップコーン・ムービー”を、ポップコーンを食べながら観られるチャンスをみすみす逃してしまった。(小銭が無かったのをケチってMサイズにしたのが間違いだった……Lサイズにするべきだった……)