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晩春

[バンシュン]
Late Spring
1949年上映時間:108分
平均点:7.72 / 10(Review 78人) (点数分布表示)
公開開始日(1949-09-13)
ドラマモノクロ映画小説の映画化
新規登録(2003-10-07)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2024-02-23)【イニシャルK】さん
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監督小津安二郎
助監督齋藤武市
キャスト笠智衆(男優)曾宮周吉
原節子(女優)曾宮紀子
杉村春子(女優)田口マサ
月丘夢路(女優)北川アヤ
宇佐美淳也(男優)服部昌一
三宅邦子(女優)三輪秋子
三島雅夫(男優)小野寺譲
坪内美子(女優)きく
桂木洋子(女優)美佐子
紅澤葉子(女優)茶場の先生
高橋豊子(女優)しげ
青木放屁(男優)勝義
清水一郎(男優)「多喜川」の亭主
原作広津和郎「父と娘」
脚本小津安二郎
野田高梧
音楽伊藤宣二
撮影厚田雄春
川又昂(撮影助手)
製作山本武
配給松竹
美術浜田辰雄
熊谷正雄(美術助手)
編集浜村義康
録音妹尾芳三郎(調音)
その他川又昂(デジタル修復版監修)
近森眞史(デジタル修復版監修)
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9.いい映画だなー。つい何度でも見てしまうMy BESTの小津映画。

ファザコンの家庭生活に甘んじて、外の世界へ一歩踏み出せない娘と、
娘との生活に慣れすぎていたことに気づき結婚を契機に互いの自立を促す父。

この作品は原節子の小津映画初出演になるが、小津の原によせる愛情が満ち満ちたような作品で、前から、斜めから、お尻から撮るだけでなく、起きている顔、寝ている顔、笑い顔、愛想のいい顔、からかうような顔、澄ました顔、不機嫌な顔、冷たい蔑むような顔、
嫉妬に駆られた顔、穏やかな顔、と実に貪欲に原節子を丸裸にするように撮っている。

原節子もよく小津の要望に応えたというべきで、従来の単なる笑った美人女優から大きく脱皮して、
多面的な要素を含んだ一個の人間としての役柄を好演している。それを周りの役者ががっちり支えているのも素晴らしい。

結婚前の旅行で父が娘に説く場面は、ちょと説教臭くて、この映画の唯一のキズだが、全体的に気持ちよく感情移入のできる映画で、
「東京物語」のように立派すぎないところもまたいい。
kinksさん [映画館(邦画)] 10点(2015-09-21 23:46:05)
8.最初は6点くらいかなあ、などと生意気にも考えていましたが、後半にいくにつれて欽ちゃんの仮装大賞よろしく、ポポポーンとポイントが上がりこの点数です。なんか凄いモンみちゃったなあ・・・と呆然としてしまいます。原節子がとにかく凄い。理解できそうで、まったく理解できないほど底なしのキャラクターだったように思う。ずっとニコニコしていた彼女の違う一面、また違う一面が次々現れ翻弄されちゃいました。バカみたいな感想しか出てこないけど、凄い映画だと思う。
ゆうろうさん [DVD(字幕)] 10点(2012-05-22 02:51:15)
7.小津の最高傑作。シナリオ、キャスティング、演出のバランスが良く、
特にシナリオの完成度と構成の巧みさには、ただただ溜め息をつくばかり。
難を挙げれば、原節子の演技を含めた娘のシーンが多少オーバーぎみに感じることだが、
父親の真情を中心に描いた内容なので、それほど気にはならない。コメディーパートでは、
叔母役の杉村春子が素晴らしいバイプレイヤーぶりを発揮、大いに笑わせてくれた。
余計なセリフを排したラストのカットは秀逸で、心にグッと染み入る余韻とともに、
製作者側の非凡なセンスを感ぜずにはいられない。お薦めの名画。
MAHITOさん [DVD(邦画)] 10点(2012-03-18 05:11:18)(良:1票)
6.またも出ました、原節子の「私、結婚しないワ」攻撃。って、時系列で言うと、コレが初めてなんですかね。じゃあしょうがないですね。本作、登場人物たちそれぞれの人生を多層的に描くというよりは、「娘の結婚を心配する父」と「父を心配して(ほんとに?)結婚しない娘」との姿に、比較的絞って描いた作品で、その代わり、冒頭の茶道のシーンから始まって、“ちょっと寄り道”的な、物語に直接関係の無い光景に、時間を割いているのが目につきます⇒とは言っても、“意外に時間を割いてる”というだけで、実は物語に関係ないどころか、大いに関係あったりするんですね。父の再婚相手(?)と初めて遭遇する、この茶道のシーン。電車で東京に向かうシーンも妙に長く妙に楽しげだけど、これは父との外出。父との仲の良さ。はたまたサイクリングのシーンの、これまた妙に楽しげな印象(やはり年頃の娘さんなのであって、男性とお付き合いすること自体が嫌いな訳じゃない)。白眉は、能のシーン。これでもかと長い。長いけど、そのシーンにはドラマがある。サスペンス。原節子の表情がコワい。⇒⇒⇒ってか、そもそも、この映画の原節子の視線と表情、全体的にとってもコワいです。ちょっと苦手です、ハイ。で、そんな彼女が、最後に見せる花嫁姿。去りゆく娘は、ひたすら美しく描かれる。黒の着物を見事に着こなしたその姿、まさに印象的な、名シーンだと思います。ところで、娘の結婚相手の“熊五郎”とはどんな男だったのか。まあ“寅次郎”じゃなくてよかったよね、御前様。
鱗歌さん [CS・衛星(邦画)] 10点(2011-08-06 10:02:44)(笑:1票)
5.小津の作品は当然にしてコメディだと形容できるのだが、あの切り返しだけはあまりに凄まじく、ホラーと呼んでしまいたいくらいである。それは『散りゆく花』のなかでグリフィスがリリアン・ギッシュに向けた視線に近い感覚の何かであり、それは様式美であり、愛である。さて、小津の一作品を論じる意味があるのだろうか。小津とは反復であり、心地よい音楽であり、様式美である。娘を重宝しすぎた父親と、沢庵の切れない(嫉妬深い)婚礼期を過ぎた生娘の物語はあまりに中庸に始まり、凡庸な結末を迎える。だがそれを心地よく反復される台詞と仰角の、または特権を与えられる切り返しの、ほんの少しの恐怖が「映画」を形成してしまう。小津はマニエラであり、マニエリスムである。ミケランジェロであり、カラヴァッジオでもある。普遍的であり畸形であるのだから畏怖する以外仕方がないではないか。
stroheimさん [ビデオ(字幕)] 10点(2008-02-07 14:01:23)(良:1票)
4.まだ、結婚もしていないのに号泣してしまった。自分の娘が生まれてから観たら、どうなっちゃうのか今から心配です。ラストシーン。あれは反則でしょう。
枕流さん [DVD(邦画)] 10点(2007-08-15 22:40:03)
3.「東京物語」と並ぶ小津監督の傑作!何度も観ているけど、個人的には「東京物語」を抑えて私にとっての小津映画のベストワンはずばりこの映画です。一番好きな小津映画を挙げるとすればやはりこれしかない。小津監督の作品を観ていると日本人であることの喜び、幸せを感じることが出来ます。そして、何と言っても小津作品に欠かすことの出来ない俳優陣、おそらくほんどの人が心に描く理想の父親像を演じる笠智衆さんの存在と原節子に杉村春子といった2人の女優の存在無くして語ることが出来ないと思います。特に画面に笠智衆さんが出てくるだけで何だかホット致します。
青観さん [映画館(邦画)] 10点(2005-07-03 17:42:37)(良:1票)
2.小津作品の中では私としてはナンバーワンです。何がいいって、笠智衆がいい!ラストシーンだけ見ても何度でも泣けます。妻を亡くした夫と娘を嫁にやる父をやらせたら笠智衆は天下一品。ちょっと「ずるい」くらいのすばらしさ。学生の時にも見たのですが自分が嫁に行ってから見たら5割増しぐらいで心にしみました。
アポロさん 10点(2004-05-20 19:01:17)(良:1票)
1.小津の最高傑作だと思います。始めの数カットで魅了されます。「北鎌倉駅」の看板のフェードインから始まって、電線と線路、信号、瓦屋根、そして廊下の奥からのぞく女性達と移っていくのですが、この構図が本当に素晴らしくて、始まってたった10秒でうっとりしてしまいました。どこか『丹下左膳餘話 百萬両の壺』のオープニングを思わせました。 この作品の全編の魅力を語りだすと本が一冊出来上がってしまいそうなので、多くは心に留めておくことにしますが、まあもう皆さん見てくださいとしか言えません。笠智衆がつぶやく「明日はきっといい天気だな」という何気ない一言に、決してその言葉面だけでは捉えることのできない父親の心境を巧みに映し出した素晴らしい脚本と、あえて椅子を不自然に並べてまで構図にこだわった最高の映像を、是非堪能していただきたいです。
藤村さん 10点(2004-02-25 12:35:03)(良:1票)
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【点数情報】

Review人数 78人
平均点数 7.72点
000.00%
100.00%
200.00%
322.56%
433.85%
511.28%
61316.67%
71316.67%
81620.51%
91823.08%
101215.38%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.33点 Review3人
2 ストーリー評価 8.40点 Review5人
3 鑑賞後の後味 8.87点 Review8人
4 音楽評価 8.00点 Review3人
5 感泣評価 8.80点 Review5人
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