2.おもんない。
前作でパワーを感じたのは、粗雑で無骨なアクションの魅力、アーノルド・シュワルツネッガー主演ゆえのバカらしさ、インパクトがありすぎて脳裏に焼き付きまくるシーンの連発などなどです。
しかしこのリメイク作では、それらのアクのある描写が根こそぎ失われています。
スタイリッシュになった分、そうした魅力を感じることができないのは本作の一番の弱点であるでしょう。
アクションシーンにあまり面白さを感じなかったのも残念。
同じような肉弾戦が多くてやや盛り上がりに欠けますし、「ブレードランナー」「フィフス・エレメント」「マイノリティ・リポート」「CUBE」「インセプション」などの有名作品をパク・・・・ゲフンゲフン・・彷彿とさせるシーンが頻発します。
前作にあった印象的なシーンはつまらないものになっています。
二転三転するストーリーも前作とほぼ同じの上、細部は劣化しています。
これでは前作を観ている人にとっては「前作の方がよかった」と思うのが大半だと思います。
そんなわけで世界観以外にほとんど魅力を感じられなかった残念な作品ではありましたが、はじめて「トータル・リコール」を観る方には楽しく観れるのではないでしょうか。それなら前作を観たほうがいいと思うけど・・・
前作並みかそれ以上にゴリ押しで進む展開が許容できる方には、観たあとは即効でトータルリコールできなくなるどうでもいい感じのB級アクションとしてオススメです。