5.三部作の第2作、ということで『帝国の逆襲』を踏襲したという訳もないのでしょうが、同じように前作から攻守逆転し、同じように登場人物たちが散り散りになって物語が並行に描かれます。一方で、「ルークはヨーダのもとで修業したのだから、レイもルークのもとで修業するのだろう」などという期待は、ライアン・ジョンソン監督によっておそらくは意識的に、裏切られます。ルーク=ダメな奴、という点ではシリーズ全作で統一されている、とも言えますが。
それよりも『帝国の逆襲』との大きな違いは、あちらが、「さあこれからどうなってしまうんだろう」という所で終わってしまい、「次作、乞うご期待!」とぶち上げてたのに対し、一方の本作。戦況から何から「一服着いた感」はなはだしく、まるで続きが気になりませんね(9作目なんて要らないくらい)。ある意味、潔いし、ある意味、最後の第9作に後クサレなく、自由度たっぷりの状態でバトンを渡したとも言えます。おそらくはそれが、多くの人を(もしかしたらJ・J・エイブラムスすらをも)面食らわせることにもなったのかも知れませんが。
しかしこうやって、後先考えずに(?)好きなように作っちゃった割には、もうひとつ、理屈っぽくまどろっこしい印象の作品になっちゃった気もします。エピソード7では、「CG時代のタイファイターやXウィングの描写は、こうなるのか」と、それだけでも一種の感動があったのですが、本作ではそういう斬新さをあまり示せず、宇宙空間での戦闘シーンは何とも大味だし(エピソード9にもそういう面がありますが)、フォースの描写にも目新しさはありません。何となく、「見せ場」よりも「語り」が中心になっちゃう。
クライマックスというべき、赤い岩塩をまき散らしながらの地上での戦いは、これはなかなか見栄えのするものになっておりましたが。
それにしても、昔から「C-3POとR2-D2は、スターウォーズ全9作通じて登場するキャラ」と言われてきたものですが(そして実際そうなりましたけれど)、でもこの出番の少なさ。あの何とかいう名前の鏡餅ロボット(←覚える気まるで無し)ばかりが登場して、ちょっと寂しいですね。