2.《ネタバレ》 この度2018年11月にデジタルリマスター化した【オリジナル完全版:121分】がスクリーンで上映されたので早速行ってきましたよ。私は監督フリードキンの、くどさというのか余計なショット・演出の羅列が好みでないので「フレンチ・コネクション」も「エクソシスト」も正直苦手。但この作品についてはそのくどさがまさにジャストフィットで、彼の最高傑作という世評もわからなくはない。特に物語佳境の有名な「ブランブランな吊り橋をニトロ積んだトラックでわたる」あのシーンはもう笑うしかない。オリジナルであるクルーゾーの「恐怖の報酬(53年)」の方が好みなのでそれとの差別化、という事でこのレビュー点数にしたが、意外と楽しめたという意味ではもう+1点でもいいくらい。印象的だったのは3つ。1. 53年版オリジナルにおけるラストの「あちゃぁ~」的流れよりもこのリメイク版のラストの方がより良い、という意見には100%同意。2. 原題が53年オリジナルは「THE WAGES OF FEAR(LE SALAIRE DE LA PEUR)」=文字通り直訳/恐怖の報酬なのだがこのリメイクは「SORCERER(ソーサラー)」=魔術師/呪術師なんですよね。ジャングルの熱/呪術に演者・観客も呑みこまれてゆくのか。3. 音楽。これこそまさに「ダサかっこいい」。53年オリジナルを先に見てからの方がいいかも。