5.《ネタバレ》 公開時はノーマークの作品だったのですが、たまたまCSの番組紹介を見て興味津々。え?チャン・イーモー監督でマット・デイモン主演?万里の長城を舞台に怪物とのアクション?観たくならない訳はないといった感じ。
流石の映像美ですね。CGのどぎつさは少々気になるにしても、遠景の描写や隊列の俯瞰は圧巻です。饕餮も生き生きと暴れてます。実写的には、ジン・ティエン演じるところの女性隊長の美しさが究極&超絶。登場シーンではついつい見惚れてしまいました。
ただ、この時代背景の戦闘モノなので仕方ないと言えば仕方ないのですが、滅多矢鱈と命が散り過ぎるのは、フィクションと言えども観ていて辛いものがあります。命が軽い。ビジュアルだけでなく、その辺りもゲームの実写版的印象に繋がるのかも。青い武具の鶴のお姉さんたちなんかは殆ど自暴自棄。無茶すぎるし。
物語的には、万里の長城が化け物対策だったという大胆不敵な設定。肝心の化け物も、見た目は猛獣でも組織的なネットワークで隊列組んで連携して来るという、知的と言うより闘争本能と繁殖力に優れた生き物。量が量だけに近づきつつある不気味感、攻め込まれての無力感はハンパないです。話の展開自体にはそれほどの新鮮味はないとしても、英雄色を好む的な予定調和はありませんし、メインキャストは全員無事みたいなこともないし、シンプルな中にも意外性を散りばめてあるので、間延びすることなく一気に観終わります。
エンターテインメントありきの作品として、これはこれで良し!というB級的プロフィールを併せ持つ佳作ですね。