1.《ネタバレ》 これは面白い。女同士の言いたい放題ぶり、それぞれの言い分、言い訳、そのやりとりを面白く見られるのはこれは何と言っても女優陣の顔ぶれの豪華さと上手さ、京マチ子が常にめそめそしている脇で活き活きとしている姉妹、若尾文子と野添ひとみ、野添ひとみは相変わらずまんまだし、若尾文子に至ってはここでもまたなかなか見れない眼鏡姿でこれまた可愛い。そんな若尾文子のお見合いシーンの後の会話がとにかく笑える。毛がないからってそれに対する船越英二の発する台詞がこれまた笑える。船越英二、この俳優のカメレオン俳優ぶり、喜劇役者としての面白さ、笑わそうとしてないのに、笑えるところがこの俳優の凄さである。京マチ子との喧嘩も面白い。そして、みんながみんな自分勝手な中で、ただ一人普通にしている高峰三枝子、そんな高峰三枝子と京マチ子の二人、映画とテレビシリーズでそれぞれ「犬神家の一族」の松子夫人を演じているこの二人が同じ空間にいるというその凄さ、「犬神家の一族」の大ファンとしてはとても嬉しい顔合わせ、そういう楽しみもこの映画にはある。そうそう、忘れちゃならない女性達と言えば北林谷栄の存在も忘れてはならない。女優陣の演技、会話、女と女の男には理解出来ないような戦いなど見所十分!宮川一夫という日本映画史上最高の名カメラマンによる美しい映像も一役買っている。あれだけ喧嘩していて仲の悪い二人、京マチ子と船越英二がラスト、仲良く手を取り合ってのシーンもこの二人、喧嘩してばかりいても本当は仲が良く、喧嘩するほど仲が良いとはよく言ったもんで、なるほどね。この映画は正にそれを証明して見せてくれている。