13.北国の寒さと生活に疲れた母親役のメリッサ・レオの演技が生活苦のリアルさを深めていました。登場人物の心理描写が丁寧で、彼らがやむを得ずやってしまう行動から最後に主人公が下した意外な決断に至るまでとても説得力があり感動できる映画でした。 【ProPace】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2014-08-22 20:54:38) |
《改行表示》12.しっかりとした映画。 最近のアメリカの映画の中ではとってもいい方。 |
11.《ネタバレ》 ばばあ版『ウィンターズ・ボーン』だと思った というか『ウィンターズ・ボーン』のほうが後なのか 失敗したら家を失うのも同じ 正しく生きている気丈な母親がすでに抜き差しならないほど困窮しているところから話が始まる 貧困からくるこの閉塞感はすごい この堅実な母親が徐々に密輸業にはまって行く過程が見ていて哀しかった 輸送中にパキスタン人の荷物を勝手に捨てるとか後先考えない主人公の行動がいかにも独善的なおばさん風でリアル 見ていてイライラさせる巧い作りだ この荷物が実は赤ん坊だったとか衝撃的でいい 主人公が毎晩逃げた旦那の留守番に艶っぽい声を入れたり女性監督らしい演出だ 男前なヒロインとのギャップが結構萌えた(笑) モホーク族のレイラとのバディ感にも母性という括りで結ばれているように見える この辺の母性感は男の監督では描けなかったのじゃないかな ハッピーエンドは望むべくも無いがエピローグは妙にほっとさせる 息子のTJが途中で犯した些細な犯罪は「ごめんなさい」で終わらせて(ここをちゃんと描くのは大事だ)、劇中まったく笑わない相棒のライラが笑顔で子供達と遊ぶ 本当にここはグッときた TJの肩越しに念願の新しいトレーラーハウスの先導者がほんの一瞬見えて終わるのは秀逸 ここをくどくど描かなかったのはかっこいい 本当に誰もが望んだ一瞬だと思う 日本映画の監督にはまず出来ない演出だ そのままエンディングの曲が I always come back と優しく囁くように流れるのはヒロインが刑期を終えて帰って来る時を思わせる 心に残る名エンディングだと思う 【にょろぞう】さん [DVD(字幕)] 8点(2014-02-17 19:33:58) (良:2票) |
10.初っ端から張り詰めた重たい雰囲気と悲壮感。そしてこの先、どんだけ不幸な展開が待ち受けているのでしょうか 緊張の連続でしたね。ハラハラどきどき ほんと心臓に悪いです。中途半端なホラーよりかよっぽど恐い展開、さしあたって、末っ子がクリスマスツリーの装飾ランプを体中に巻きつけておちゃらけていたシーンでは ここでこの子は感電死なのかと変な予測をしてしまって目をふさいでたりしました。そして最後には氷上の氷が溶けてふにゃらららだとか、息子は悪事に染まってふにゃらららだとか、急なショックを受けるの恐れて、先走って悪いほうに悪いほうにと予測してしまってたりしていた自分がいたりしました。 貧困状態を生き抜くって辛い事です その生活ぶりを見せられるってそれもすごく恐い。ただし、見て勉強、学んで勉強、暖かいトレーラーハウスで暮らす事を夢見た母子供の夢が叶ったことに救いがあった。母の帰りを待とう 頑張って生き抜いてってほしいな 子供たち。 【3737】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-09-02 22:40:59) (良:1票) |
《改行表示》9.田舎のトレーラーハウスに住むタトゥーを入れたおばさんの涙で始まるこの映画は、どん詰まりの女たちの様子を雄弁に映像が物語ってくれる。 ドアの穴に埋めた布切れ、水垢のこびりついたシャワー、捨てられた妻が繰り返し録音し直す留守電のメッセージ。 どれも、身の置き所のない哀しみで溢れてる。 そうして犯罪に手を染めてもなお、捨てきれない母性という名の連帯感を感じさせる中盤のシーンは感動的だ。 断熱材の入った暖かいトレーラーハウスを、子どもたちは喜んだろうなと、ほのかに温かい余韻を残すラストもいい。 【poppo】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-08-26 19:29:48) |
8.《ネタバレ》 貧困が犯罪を生むという典型。この手の映画を見ていると主人公に感情移入してしまうため、警察がまるで敵のように思えてしまうこともあるが、本作ではその取締りがなければレイとライラの間の「境界線」は残ったままだったはずだ。ちなみに境界線という言葉は監督が使っていたものであり、この映画のテーマだという。物語の舞台はアメリカとカナダの国境でもあるセントローレンス川、密入国の手助けをして金を得るレイとライラが毎回渡ることになった凍った川だ。境界線は国境の意味に留まらず、人種や民族、格差に至るまでさまざまな問題を提起する。監督はそういった境界線は愚かなものであり、壊れてゆけばいい、と語る。その形のひとつがレイとライラの関係であり、境界線が消えた時、人は苦しい中にあっても、希望を感じられるのだというメッセージがラストのあたたかさそのものだった。観て良かった~と思えた映画です。 【リーム555】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-07-09 00:00:22) (良:2票) |
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《改行表示》7.《ネタバレ》 しんしんとした雪の田舎町&犯罪の匂いの組み合わせは大好物!チラシのビジュアルに惹かれた(グレイな雪景色に凍ったような白いタイトルロゴ、ポツンと小さく車)のを思い出してDVD鑑賞。地味に話は進みながら、じわじわと雪だるま式に悲劇が起きていく予感に満たされていき、あーもうこんな不幸な話やだー!という悲鳴をあげそうになりましたが、最後まで見ると、はらはらさせるだけのサスペンスなのではなく、しっかりしたドラマでした。貧困のやるせなさや、先住民ライラとの関係が自然に、ていねいに語られています。人種を超えた母としての勇気や強さが、観賞後すがすがしい印象として残りました。 【ETNA】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-05-09 19:04:54) |
6.《ネタバレ》 赤ちゃんが死んでいたシーンではもう取り返しのつかない所まで来てしまった。と先を観るのが嫌になりましたが、生きていて良かった。ギリギリ小さな幸せを掴める所で踏み止まれた。今後に光が見えたラストで良かった良かった。 【東京ロッキー】さん [DVD(吹替)] 8点(2011-03-06 16:38:54) |
5.《ネタバレ》 主演のメリッサ・レオの演技も然る事ながら、チャーリー・マクダーモットが繊細な演技で長男の内にある思いを過不足なく表現していて素晴らしかった。母親の行動は息子にとっては不安や心配の種だったろうし、当然のことながら悪い方向へ転がって行っちゃったけど、お互いがお互いのことを考えてるし相手の思いも分かっているからラストのあの落ち着きがあるのだろう。この息子はきつかったと思う。だけど母親が捕まったことで、伸し掛かってきていた不安や問題から逆に解放されて、肩の荷が下りたんじゃないかな。清清しいラストで良かった。グラントリノと比較されてるようだけど、イーストウッドの凡庸な演出が嫌いな自分は、今作は別物だと主張したい気持ちになる。 【ピカレスク。】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-02-14 22:01:32) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 始めから終わりまで物語に漂いつづける暗い雰囲気と不安にさせるような展開。これは最悪な結末になりそうだなと思っていたが、エンディングには少しだけホッとした。もちろん母親は刑務所に行く事になるけど、刑期を終えて出所した後は新しい家で暮らせればいいなと思う。観終わった後に清々しくなる映画ではないけれど、良作だと思う。 【珈琲時間】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-02-10 22:54:51) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 人によっては『地味』『起伏がない』だからつまんないの一言で片付けられそうな映画だと思います。けどカナダとアメリカの国境近くの町並みを見ただけで骨身に染み渡る荒涼さが伝わり、その雰囲気だけでもこの映画の魅力を高めていると思います。何と言っても主演のレイ役メリッサ・レオの確かな演技と諸々の感情の軋みがシワに深く刻まれた、あの顔が物語のすべてを語っているようで本当に素晴らしい!相手の先住民の無表情だけど子供を義母に奪われた悲しみを一瞬、垣間見せた絶妙な演技を見せたライラ役のミスティ・アップハムも見事な存在感でした。二人がお互いを少しずつ知り、次第に関係を深めますが、そこの見せ方もあくまで淡々として静かにじんわり伝わってきます。金銭的に困窮してるからやむ得ず不法入国に加担してしまったレイですが、それによって得た大金をすっかり頼りにしてしまう脆さ・・最終的にはライラを強引に説得し最後の不法入国者の運びを続け、トラブルに巻き込まれます。ハッキリ言ってレイのあの行動や発砲行為は目先の金に焦っての軽率行為で片付けられますが・・この金を手に入れたら新しい家を得て、少なくとも今よりはマシな子供達との生活を手に入れれる上、ライラの子供を取り返して彼女もやり直せる、自分とライラの為に切迫した願望の表れが、ある意味頼もしくもあり悲しくも見えます。最後のレイの決断は自分だけでなく、ライラとの今後を考えた最良の決断に思え基本的には悲しい出来事ですが、ポジティヴにすら感じました。ただ1回観ただけではすべてを把握出来るとは思えない深みがあるのでDVDが出たら再び見て新しい発見とか解釈をして味わう映画になると思います。 【まりん】さん [映画館(字幕)] 8点(2010-03-28 15:45:31) (良:1票) |
2.サンダンス映画祭グランプリに納得。スターは出てないので一見地味っぽいけど見事な映画だと思います。下の方とかぶるけど、監督コートニー・ハントには女クリント・イーストウッドの称号をあげたい。「アクトビラ」での封切りという形で見たのですが、あの風景はやっぱりスクリーンで見た方がよかったのかなと少し後悔しました。 【とと】さん [地上波(字幕)] 8点(2010-02-09 20:30:31) |
《改行表示》1.《ネタバレ》 女性版「グラン・トリノ」という印象を受けました。格差問題、人種問題、不法移民問題等々アメリカ社会の影の部分を鋭く描いています。作品全体を貫く緊張感に惹き込まれました。 凍結した川の荒涼とした風景が、まさに登場人物たちの状況を表しているかのようで非常に印象的でした。 【TM】さん [映画館(字幕)] 8点(2009-12-02 16:12:32) (良:1票) |