1.《ネタバレ》 これは是枝監督の「そして父になる」と見比べると、興味深い。「そして」は福山雅治演じる父親の成長譚だった。一方、こちらは、子どもたちが二つの家族の間を交流し、そして人間的にまた大きくなるという内容だった。しかも子どもを間違えた二つの家族には、パレスチナなどの民族問題が混じり、とても政治的に表現が難しいだろう内容なのに、この映画では、子どもたちがそんな問題お構いなしに、二つの家族の中で、ドンドン自分から交流し、この家族が結びつくという話だった。これを見て、自分は日本の若者だったら、どうだったろう?などと考えた。もっと悩み、暴れて、ひどいときは犯罪まで犯しそうなほど、弱い。日本の映画だったら、間違いなくそういう内容になるだろう。現実はともかく。中東はアイデンティティが骨太だ。日本は組織では強いが、個となると、弱いのかなぁ?などと感じた。