2.《ネタバレ》 『婚前特急』が悪くなかったので観てみたが、開始10分くらいで出たくなる
ひどい映画だった。
がさつで可愛げのない永作博美のキャラクターはそれが美点に転化することはなく、
最後まで情が移ることがないのは撮影の巧拙の問題だけではない。
ハンバーガーを頬張る表情に何やら過剰に思い入れているようだが、
作り手の一部だけの自己満足のようにみえる。
はっきり云って、どうでもいい。
佐々木蔵之助に号泣芝居をさせれば、もらい泣きでも頂戴できると目論んだか。
はっきり云って、下品である。
シックス・センスがどうとか、固有名詞を羅列したボケ・ツッコミの
対話もことごとくつまらない上に、幽霊的存在の表象にもまるで工夫が
みられない。
現在の二人が過去の場に立ち会うだの、時制弄りだの、
手垢のついた設定は無意味で退屈の極みである。
運動論的に云えば、看病や仕事や育児や執筆で悪戦苦闘する様を具体的に描写するのが
映画化の意義だろうに、どれもこれも中途半端で、
特に子供に関しては育児放棄の印象しかない。
移動は高速バスに揺られているだけ。
最後にとりあえず少しだけ走らせてみました、というのがまた生ぬるい。
結局、45分のテレビで済むオハナシに過ぎない。