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おくりびと

[オクリビト]
Departures
2008年上映時間:130分
平均点:7.03 / 10(Review 233人) (点数分布表示)
公開開始日(2008-09-13)
ドラマコメディ
新規登録(2008-09-18)【Requin】さん
タイトル情報更新(2019-09-19)【イニシャルK】さん
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監督滝田洋二郎
助監督橋本光二郎
キャスト本木雅弘(男優)小林大悟
広末涼子(女優)小林美香
山崎努(男優)佐々木生栄
余貴美子(女優)上村百合子
吉行和子(女優)山下ツヤ子
笹野高史(男優)平田正吉
杉本哲太(男優)山下
橘ゆかり(女優)山下理恵
峰岸徹(男優)小林淑希
山田辰夫(男優)富樫
石田太郎(男優)曽根崎
諏訪太朗(男優)
大谷亮介(男優)
脚本小山薫堂
音楽久石譲
佐々木次彦(音楽プロデューサー)
浅梨なおこ(選曲)
作詞AI「おくりびと」
作曲久石譲「おくりびと」
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン劇中曲「Symphony No. 9」
ヨハネス・ブラームス劇中曲「Wiegenlied」
主題歌AIイメージソング「おくりびと」
撮影浜田毅
製作TBS(「おくりびと」製作委員会)
松竹(「おくりびと」製作委員会)
電通(「おくりびと」製作委員会)
小学館(「おくりびと」製作委員会)
朝日新聞社(「おくりびと」製作委員会)
毎日放送(「おくりびと」製作委員会)
プロデューサー中沢敏明
配給松竹
特殊メイク江川悦子
美術小川富美夫
江川悦子(造形)
ヘアメイク柘植伊佐夫(ビューティーディレクター)
編集川島章正
録音小野寺修(整音)
照明高屋齋
その他IMAGICA(協力)
吉川威史(キャスティング)
あらすじ
オーケストラでチェロを弾く大悟。ところがオケは解散することになり、職探し。そして、条件のよさそうな求人を見つける。「旅のお手伝い」の仕事ということで、旅行会社か何かだと思い面接に行くのだが、その仕事とは納棺師であった。
ネタバレは禁止していませんので
未見の方は注意願います!
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【クチコミ・感想】

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213.《ネタバレ》 納棺の儀礼の美しさ(見るからに美しい本木はもとより、山崎努の所作の美しさには驚いた)、死者の顔が化粧を施されて美しく変化する様は一見の価値ありだと思う。ただ、ストーリーは残念な出来。主人公が悪戦苦闘する序盤の展開には引き込まれましたが、あぜ道でチェロ演奏という「何のイメージビデオだ!?」というシーンあたりから怪しい展開に・・・銭湯のおばさんが何のために登場したのか、なぜ主人公は何度も父への憎しみを口にするのか、そのイヤな予感が的中しないことを願ったけど、残念ながら的中してしまいました。広末涼子は言われるほど悪いとは思わなかったが(もともと『秘密』の滝田監督とは相性はよかったのだと思う)、クセのある脇役陣のなかでは一人だけエアポケットのような存在で少々違和感がありました。「お仕事もの」としては楽しめましたが、ドラマとしてはごくフツーの映画というのが正直な印象です。
ころりさんさん [DVD(邦画)] 6点(2009-08-24 13:41:01)(良:1票)
212.予告編で見た広末涼子の奥さん振りが余りにステレオタイプ的(特に夫の新しい職業を知ったときの「汚らわしい!」の台詞)だったので、思い切り酷評してやろうと思って見ていたが、いい意味で裏をかかれた。

広末の役柄もステレオタイプ的であるが故に、ラスト近くの台詞「夫の仕事は、納棺師なんです」も生きてくる(少々単純な構図ではあるけれども)。

諸外国に比べて宗教色の比較的薄い日本人だからこそ作れた映画ではないだろうか。
その意味で、日本人は他の外国人に比べ、人の「死」を宗教というオブラートに包まずに、より深く受け止めているのではないかと認識を新たにした。

人間の死という事態に際して、変に精神的なシェルターに逃げ込まず、故人にまつわる自分の様々な思いをダイレクトに、愚直とも言える態度で全身で感じ取れるのが日本人ではないか。

日本人の良さを再発見した気分だ。

それとともに改めて感じたことがある。
人生において幸せをもたらしてくれるのは「友人」や「恋人」、「配偶者」や「子供」ではない。

他ならぬ「理解者」の存在こそが重要なのだ。
そして前述した人たちがすなわち自分の理解者となるとき、大きな「幸せ」を感じられるのではないだろうか。
Twitter: U1_Japanさん [CS・衛星(邦画)] 7点(2009-08-22 01:57:53)(良:1票)
211.《ネタバレ》 僕みたいなすれっからしの人間になってしまうと、洋画ならともかく、こういう地に足が着いた良心的に作られた邦画の場合、序盤で大体のその後の展開を読んでしまうという悪癖があるんです。自分でもつくづく嫌なヤツだと思ってるんですが。失業→帰郷→納棺師としての再就職→悪戦苦闘の日々→職業意識へ目覚め→妻を含めた周囲の偏見無理解に対する反発・・・。ここまでで殆どブレがない予定調和な展開に、正直びっくりしてしまいました。銭湯のおかみさん吉行和子の死により、一気に全ての軋轢が実に都合良く氷解。ずっと引っ張ってきた父親との和解も含め、なんら驚くべき展開はなにひとつなかったんですが・・・。でも、なぜか泣かされましたね自分は、この映画に。分かっていながらも泣かされてしまう、この作品にはそんな予定調和を凌駕する力強さが備わってると思います。邦画の最良の部分が巧く出せています。本木&広末の夫婦コンビも悪くないけれど、この映画に厚みと風格を与えた最大功労者は、ベテラン納棺師役の山崎努!
放浪紳士チャーリーさん [DVD(邦画)] 8点(2009-07-26 10:41:42)(良:1票)
210.《ネタバレ》 何度か涙を流しました。泣きます。だって人が死ぬのやし。それをまざまざと見るのやし。
でもこの違和感は、なんだろう。男前すぎの「納棺夫」。生活感のないおキレイな奥さん。よくみるとキレイすぎの風呂屋のおばちゃん。おなじく事務所の唯一の従業員がこれまた色っぽい美人。そんなことが妙にひっかかる。汚かったらじゃあいいのか。というわけでもない。おとぎ話ならそれでもいい。リアルさを求めたいタイプでもないし。考えるとつまり、「そんなことが目につく、ということに何か問題があるのではないか」と、思たんでした。主人公の家や社長室?の、妙な異国感。それもまたそれで、わたしにはなじめなかった。でもこの作品は、後世に残る。いささか有名になりすぎた。観てから「納棺夫日記」を読んだのですが、「原作」者とされる、青木新門さんが、この映画と「納棺夫日記」の着地点が違うということで、原作者としてエンドロールに登場することをかたくなに拒んだ、という話、わたしも納得しました。もっと云えたはずなんでは…と思った時、先にあげた点からはじめ、残念に思ってしまうのです。「穢らわしい!」と奥さんに罵られたのは、実話らしいです。映画観られて、良かった方も、そうでもなかった方も、是非「原作」も読んでみて欲しいです。
airさん [DVD(邦画)] 6点(2009-06-19 02:34:00)(良:1票)
209.《ネタバレ》 うーん。不思議な映画です。というか小粒ながらもこれは傑作なんじゃないでしょうか。主題は「ひょんなことから納棺師という変わった仕事に就いた主人公が、社長に天職と言われた通り、仕事を通して本人にとって最大のわだかまりであった父への思いが晴れることになる」といったところなので、あまり死の尊厳とかそういう難しいことを考える映画ではありません。あまりリアル志向の物語ではなく寓話的に作ってあり、映画全体が独特の浮遊感と穏やかさに包まれています。ですが寓話的に作ったからこそ、この映画は国境を越えても理解され評価されたのだと思います。おもしろかったですよ。
54dayoさん [DVD(邦画)] 9点(2009-05-22 00:59:33)(良:1票)
208.《ネタバレ》 死人で飯を食うと遺族から蔑視され、汚らわしいと家族から忌み嫌われ、自分でも納得いかないまま始めてしまった納棺士を通して、死というものを見つめなおすという着眼点が新しく、また清々しいものに仕上がっている。「死は門である」。死、そして葬儀というものを、誕生から始まり、例えばお宮参り、卒業式、成人式、結婚式、還暦…などと続く人生の節目の内の一つとして捉える。そしてその葬儀を厳かにけれど暖かく演出し、遺族の悲しみを少しでも癒すことが出来たら、納棺士とは素晴らしい職業だろうと思う。確かにここでのモックンはチェリストにせよ納棺士にせよ所作が美しく、そして嫌な部分はコミカルなオブラートで包み隠しているのは確かだが。賛否両論あるとしたら、キレイな部分だけ見せて美化しているところに否を感じる見方もある。しかしこの作品は納棺士の紹介ではなく、日本人特有の死や葬儀に対する姿勢や文化を世界に紹介し、また忘れかけている日本人に思い起こさせることに成功した。そういう作品として素晴らしく、世界で認められた功績も讃えたい。
ちゃかさん [DVD(邦画)] 9点(2009-04-21 17:36:31)(良:1票)
207.《ネタバレ》 観る前、この映画には「これぞ日本の文化だ!」というポイントが否応なく、余すとこなく、盛りだくさんに込められていて食傷気味になりそう、というイメージを持っていた。が、全編に渡って感じられる本質的な日本の美しさがいい意味で裏切ってくれた。

この納棺師という仕事は進んで勤める仕事では決してない。やはり、死に向きあうだけではなく、直接「死」と接する仕事。個人的には偏見はあるだろうとは思っていた。だけどここまでの偏見があるのには少し吃驚した。
やはり「死」というものは、いずれ死を迎える者にとっても、いずれは死を迎える誰かを失う者にとっても、とても恐ろしいもの。なので、失ったことがない者にとってはその「死」で生計を立てているということは逆流するような、摂理に刃向うような生理的に嫌なことなのかもしれない。
しかし、失われた者にとっても失う者にとっても、死というものは優しくなくてはいけない。失った者は失われた者が望んだであろう事で、失いながら今生きている自分にできる事を一生懸命考える。最期の時間もできる事すらも本当に限られているし、せめて失われた者にとってやさしい最期を与えたいし、自分も浄化されたいからだ。そして、その思いを託すことができるのは納棺師なのだ。
命あるものには死が訪れ無へとすすむ。死を迎えたものには静寂、安息が必要だ。しかし命あるものはその安息が得られるべき死(命)を食べないと生を全うできない。困ったことに。納棺師の彼らは食物をとても本能的に食べる。死というものを感じられるからこそ、食べるということに真摯に向き合え、本質的なことなのだと彼らはしっているのだ。
クライマックスに小林の父が見つかったのは少しご都合だなとは思いましたが、なにより石を握っていたのは納得できない・・自分ならものすごく大事なものだから、寝ながらなんてことはないなぁ。
しかしながら、本当に日本的な部分が感じられる作品であると思った。もちろん日本的な弔い方・死へのとらえ方を題材にしているのもあるが、表現や醸し出す雰囲気が非常に控え目でたおやかで叙情的。優しくてとてもいいと思った。


まりんこさん [映画館(邦画)] 9点(2009-03-29 21:04:38)(良:1票)
206.《ネタバレ》 この作品の長所としてモックンを初めとする俳優陣、そして納棺の際の所作、ロケーションや撮影の美しさが挙げられる。特に納棺の儀式の息を飲みそうな緊張感、美しさには感心するばかりだが、それがこの作品の最大の短所でもある。どのシーンを取ってもきれい過ぎるのだ。一番初めの仕事でかなり日が経った遺体の処置があるが、それ以降は全く汚れも損傷もないきれいな遺体ばかりがでてくる。僕は納棺師の仕事をしたこともないし、そもそもまだ納棺師を見たことすらないので実際の現場がどのようなものかは全く分からないが、この作品の描き方はきれい過ぎる。これは監督らがそういった見たくないものを避けている、もしくは現場を知らない、という気がしてならなかった。物語の展開も引っかかる。死の間際、またその直後に関わる話なのだから、家族間の争いや汚さを垣間みてしまうようなこともあるはずなのだが、故人への悲しみや愛情しか描かれていない。感動、または泣ける展開ばかり集めて作っているから褒めやすいし、監督の真の力量も問われにくい得な作品だなぁ、と感じてしまった。
ただ、こういった短所を全てカバーしているのがモックンと山崎努の静かな演技力と序盤によく見られる温かい笑いだ。山崎努が全員食ってしまいそうな存在感を放ちながら、モックンも全く負けず、かといって力むことも無く主人公としての際立ち方がちょうどいい具合になっている。この二人の演技なら2時間ぐらい平気で見ていられる。
二人の会話も心地いい。序盤のユーモアは作品を重苦しくさせない要素としても、この作品で最も評価したい点。その分、終盤のそういった余裕が無くなってしまったかのような、感動要素だけの展開がかなり残念だった。
Sgt.Angelさん [映画館(字幕)] 7点(2009-03-19 17:05:48)(良:1票)
205.《ネタバレ》 ★美しい東北の風景と、そこで粛々と営まれる「死の儀式」、それを決して暗くではなくそこはかとないユーモアを交えながら淡々と描写していく。 ★ちょっと伊丹十三っぽいこの映画は、当然ハリウッドとも、その他の国の映画とも、あるいはまじめなだけの邦画とも違って、何かアカデミー賞審査員の心に触れるものがあったんでしょうね。 ★2時間超の超尺ですがそれほど長くは感じません。いきなりの腐乱死体や、葬儀現場での遺族のいさかいなど、決して「喜べる」職業でないこと、そのための「職業差別」が厳然として残っていること、社長の「困ったことに・・・」やその他の台詞にあらわれる日本人の「死生観」など、観ていていろいろ考えさせられるものがあります。 ★そういえば自分の祖父祖母の亡くなったときはどうだっただろうか、こんなびしっとした納棺師の人なんかいなかったような気がするんだけど・・・ ★気になった点は二つ。一つは広末さんのキャラ設定。自分は最初、彼女はカワイコブリッコでも実はどんな逆境にもめげない芯のある女性で、そのうち軟弱な夫を叱り飛ばすとかなんかと思ってた。実際は彼女も言いたいこといわず我慢してて、もっくんが黙って納棺師になったのにとうとう切れて出てってしまう、なんかその移り変わりがちぐはぐ。また東北の田舎に職業差別があるのは(類型的な気もするが)わからんでもない。しかし都会育ちであろう広末さんがあれほど生理的拒否反応を示すのは違和感がぬぐえない(単に近所の噂がいやってならわかるが、「汚らわしい!」とは?)。 ★二つめは音楽。久石さんの楽曲は嫌いではないが、実写でここまで大げさにBGMされるとちょっと鼻に付く。特に昔出てった父親が好きだったレコードかけて、久石さんのオリジナル曲が流れるのは???普通にバッハの無伴奏チェロ組曲にでもしとけば? もっくんが広末さんの前でピチカートでやった「ブラームスの子守唄」はとてもセンスいいなと思っただけに残念。(そうそう、彼チェロ猛特訓しましたね。弓使いとかすごく自然でした) ★個人的にはぼくはこの映画好きです。正直言うとアカデミー取るまでの凄みのある作品かってっとそうは思えません。普通にこの点数にしましたが、逆に賞なんて所詮は・・・とひねくれずに、観てみても損はないと思います。納棺師になりたいとは思いませんがね。
wagasiさん [映画館(邦画)] 6点(2009-03-08 13:40:57)(良:1票)
204.《ネタバレ》 わたくし、母→父の順で葬式の(本来の意味での)MCをやりましたが、ここに描かれている納棺師(この師でよいのかちょっと疑問)という存在についてまったく知りません。母は三多摩、父は北部九州での葬祭でしたが、ともに遺体を清拭し衣服を整え死に化粧する役割のかたは来られました。しかし、ここで描かれている「納棺の儀」的な特別なものはありませんでしたし、脱脂綿を詰めたのは病院だったと記憶しています。葬祭は地方によってかなり段取りが異なるようです。田舎だと谷ひとつ隔てても作法が大きく異なることもあると仄聞しております。ということで、実体験と大きく違った点に注意が行きすぎあまり感情移入できませんでした。映画として少し評価します。まず、小劇場出身者がちょっとやりすぎ。余貴美子、おまえだ。笹野さんは数々の作品で名バイプレイヤーですが、編集のせいでしょうけど存在感ありすぎです。彼は風景に溶け込んでこその役者さんだと思いますから監督の力量の問題ですね。吉行和子はよかったね。本木くんはチェロの指捌き、ボウイングが見事でした。よく練習しましたね。それから、ここははっきり述べたいのですが、西日本が舞台だと絶対に成立不可能な内容です。こんな簡単に描くことは不可能。わからないかたは「差別」について調べてみてください。
shintaxさん [映画館(邦画)] 6点(2008-09-26 19:02:19)(良:1票)
203.《ネタバレ》 モントリオール世界映画祭でグランプリ獲得したとの事で興味を持ち鑑賞。納棺師と言う聞きなれない仕事に引き込む山崎努と引き込まれる本木雅弘この二人の演技が絶妙、正にはまり役でした。それと山田辰夫彼も素晴らしい、画面が引き締まる。前半は笑いも多くテンポもいいですが、後半本木と父親の関係の部分がちょっと余分だった。吉行和子の所で終わってくれてたら丁度良かったかも。また広末が亭主の仕事に全く理解を示さないのもちょっと気になりました。あと杉本哲太は本木に一言謝って欲しかった。でも最後父の面影を忘れていた(忘れたふり?)本木がそれを取り戻してあげるシーンは良かった、あの涙はいい涙でした。でもあの石はやり過ぎ。あれが無かったら10点だったかな。
ハチロクさん [映画館(邦画)] 9点(2008-09-20 00:20:03)(良:1票)
202.《ネタバレ》 納棺師の話。思いっきり“間”を取って、ゆったりと進んでいくのが特徴ですが、元木、広末の夫婦2人のシーンなどは、間を埋め切れていないなという感じがしました。山崎努とか、余貴美子とか、深みを出せる役者はいいのですが、広末涼子は深みがないのが長所みたいなもので、ちょっと厳しいかなと。人の生死を正面から扱っているので、相応の感動はあるのですが、長い時間の流れの中で積み上げられてきた厳かな様式の中に、凝縮された人の生きざま、人々のいとなみを見て感動するのであって、作品自体の流れが生み出した感動と言えるのかは疑問です。前段の特にユーモラスなシーンにはあざとさが目立ちました。ただ、終盤、本木の目から一瞬にして鼻筋を通過した涙は、とても美しく、心打たれました。
camusonさん [DVD(字幕)] 7点(2023-06-05 20:55:23)
201.《ネタバレ》 私の地方では“湯灌の人”って呼び方だったかなぁ?葬儀屋さんの仕事の一環だと思っていたけど、納棺師という独立した職業があることと、案外歴史は浅いことなど、この映画をキッカケに、雑学知識がちょっと増えた気がします。
人の死という重たいテーマだけど、程よくコメディ要素を入れて、エンタメとして取っ付き易い作品にしています。

妻の「汚らわしい」発言は、ちょっとオーバーな演出に思えたかな。まぁ遺体に触った手で触られることに抵抗を感じるのは無理の無いけど、潰した鶏の頭や足まで食卓に並べる人が言うセリフじゃないような…活タコにビビってたのに…
裏表のない夫婦関係だからこそ出てきた言葉って考えたいところだけど、奥さんに内緒で1800万円ものチェロを買う。納棺師になったことを黙っている。突然実家に帰る。妊娠したことを告げずに突然帰ってくる…ちょっと変わった夫婦関係だわ。
困ったのは旧友の見下した態度。「もっとマシな仕事しろ」は、東北山形の土地柄なのか、納棺師の成り立ちに対してだろうか。普段納棺師について考えたことがなかった分、そこまで言われる仕事なの?って。

ただこうした極端な反応があるから、彼らの丁寧な仕事ぶりが光って見える。納棺師に対する見方が変わる。
考えたら世界中に葬儀の手順や儀式があって、この“納棺”は日本独自の文化なんだろうね。所作がとても美しく、良い風習だよなぁって思えました。
この映画が葬祭業にスポットを当てて、生活から切り離せない尊い職業の一つとして認識させた功績は大きかったと思います。
そして人の死という重たい生業で生活している人もいる事を思うと、軽いコメディ色も上手な味付けに思えました。
死と隣合わせの生。生きる象徴の食。干し柿、フライドチキン、フグの白子の美味そうなこと。そして性。広末のスタイルとファッションのエロ可愛さ。余貴美子はなんか居るだけでエロい。困ったことに。
K&Kさん [CS・衛星(邦画)] 8点(2023-05-09 20:19:33)
200.先月、父を見送りました。
父の葬儀の丁度1週間後にBSプレミアムで放送していました。
その時は見る気になれなかったけど録画しておいて、今日ようやく見ることができました。
父の体を綺麗にしてもらって、父のお気に入りだった服を着せてもらって、棺に納めてもらった。
その心のこもった仕事に感謝しかなかった。
公開時、あるいは数年前とかに見ていたらどんな気持ちで本作を見たのだろう?
そのタイミングで感じ方が全然違うんだろうなと改めて感じさせられる。
「死」の重さが感じられつつも、作品にはいい意味で重くなりすぎないユーモアや空気があり、
演出や演じる主要キャストの演技の、その匙加減もとても良かったと思います。
父の「儀式」を思い出しながら、落ち着いた静かな気持ちで見させてもらいました。
こういうタイミングで本作を見ることができたことに感謝です。
とらやさん [CS・衛星(邦画)] 8点(2022-12-03 15:13:26)
199.《ネタバレ》 良さと面白さが、大腿予想通りの作品。

望んだ高みに届かなかった主人公が拾った偶然で開花するとか、その拾い物を誰に貶されても貫ける信念も芽生えるとか、その拾い物の熟練者が手出しも口出しも最小限なわりには強固なる後ろ盾になってくれるとか、ね。モッくんがチェロに懸けてた役どころなので、クライマックスにはBGMになるんだろうという予想も当たり。いや、悪い意味とか貶すつもりじゃなくて、王道と言っていいストーリー運びの作品でした。でも一つ氣になるところは、劇中の一般人の、この仕事の認識。旧友が『挨拶なんていらねぇ』・『マシな仕事しろや』と吐き捨てたり、恋女房が『汚らわしいから触らないで!』って嫌悪するような扱いって、一般的な感覚なんですかね?作品内のままに、感激するほど感謝される業務なのは、当方、医療従事者なので知っていましたが…。アドリブの帝王・山崎勉さんに全キャストが振り回されるかと思いきや纏まった出来栄えでした。ここは余貴美子さん・山田辰夫さん・笹野高史さんのような、役を憑依させる超・ベテラン俳優が脇を固めてたのが功を奏したと思います。御遺体を見た事が無い方には予備知識となる良い作品だと思います。
役者の魂さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2022-11-28 15:34:28)
198.《ネタバレ》  昔一度観ているんですが、なぜだかレビューをしていなかった。自分ももう40で、前に観た時と印象も変わるかもしれないと、もう一度見直すことにしました。

 結論から言うと、その予想は大当たりでした。前に観た時は広末涼子さん演じる妻の美香さんの行動や言動がしっくりこなかった部分があったんですが、いま観ると違和感なく受け止めることができた。
「夫は納棺師なんです」
このセリフが当時はなんだか唐突に思えてずっと引っかかっていた。けれど今ならスッと入ってくるセリフになっていました。納棺師という、少なくとも当時の世間からはさげすまされるような職に就いた夫をようやく認めた妻のセリフなんですね。ようやく腹に落ちました。

 さらに、今回鑑賞して納棺師に対する職業差別のようなものが以前より増して気になりました。もう14年前の映画。さらに東北の地方ではああいう感覚はやはりいまだに残っているんでしょうか。この『おくりびと』という映画のフィルターを通して見たからか、なぜこの職業がここまで蔑まされているのか私にはピンと来ませんでした。最初のほうにあった腐乱死体の処理みたいなことも含まれてるからなのかも知れませんが、だから旧友に無視されたり、葬式の場であのように罵倒されたりするのでしょうか。あの感覚が、私にはピンと来ません。そういうことを訴えたい映画でもあると思いますが。
 この、良くも悪くも個人の価値観や考え方がさまざまに溢れているこの時代に、納棺師、という職業が不当な差別を受けずに評価されてほしいと心から願います。

 そして音楽がとても合っていました。チェロ奏者という設定は物語そのものや舞台の雰囲気ととてもよくマッチしていたと思います。音楽が久石譲さん、ということにはエンドクレジットまで気付かなかったんですが、終わって見てみて流石だなと思ってしまいました。間違いなく良作だと思います。改めて誰かに勧めたくなる映画でした。
TANTOさん [インターネット(邦画)] 9点(2022-10-20 00:18:28)
197.昨年母が亡くなり納棺師に清め整えてもらい、厳かな気持ちで送ることが出来た。
その事を思い出しつつ、観始める・・

本木さんをはじめ、山崎さん余さんら名優の抑えた演技、味わいがあった。
それぞれのシーンの古い建物がお話しに合っており、山形の美しさもあいまって、じわじわとしみてくる。
ただ、妻役の広末さんが雰囲気に合わず残念だった。

観たいと気になっていた本作をじっくり鑑賞。
落ち着いた心で合掌が出来た。
たんぽぽさん [インターネット(邦画)] 7点(2022-06-04 15:38:36)
196.《ネタバレ》 あまり期待せずに見ましたが、意外と感慨深い内容で良い作品でした。
死というものに正面から向き合った作品として、貴重なんじゃないでしょうか。
大抵の映画は死というものを否定的に捉えますが、この作品は違います。
誰にでも訪れる当たり前のものとして死を捉えています。
その当たり前に訪れる死に際して、私たちはいかなる心持ちで接するべきか?
そんな事を見ていて考えさせられました。
にじばぶさん [CS・衛星(邦画)] 7点(2020-11-08 22:30:01)
195.《ネタバレ》 どんな仕事でも、その道を極めた人の所作というものは美しい。
まして、人生の最期に携わる気の抜けない仕事。
納棺師という仕事があることをこの映画が公開された時に初めて知ったが、今回が初見。
大吾の動き一つひとつが死者と遺族への敬意に溢れていて、美しく気高い。
ただ、身近な人物の納棺を見ないと、この仕事への理解はなかなか難しいのかもしれない。
妻の嫌悪感は理解できるものの、少し言葉が過ぎた。
死人で食ってるくせにと遅刻を怒った男が、死化粧をした妻を見て、今までで一番綺麗だったと頭を下げるエピソードで充分伝わったのになあとその点が残念。
脇を固める山崎努と余貴美子のキャスティングが素晴らしく、物語に重厚さとユーモアを添えるのは流石。
亡くなった父親の所へ行ってやってくれと頭を下げる一連のシーンは、この映画最大の山場で、心を落ち着けた大吾が父親をおくるシーンは、愛と敬意と悔恨と信頼といろんなものが詰め込まれながらも、静謐。本当に美しいシーンだった。
人の人生に対する慈愛と敬意に満ちた佳作。
roadster316さん [インターネット(邦画)] 9点(2020-10-04 09:07:51)
194.静かな、いい重みのある作品でした。
HRM36さん [インターネット(邦画)] 6点(2020-09-19 14:34:04)
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【点数情報】

Review人数 233人
平均点数 7.03点
000.00%
110.43%
210.43%
362.58%
4104.29%
5166.87%
64720.17%
75222.32%
85624.03%
93715.88%
1073.00%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.81点 Review27人
2 ストーリー評価 7.71点 Review32人
3 鑑賞後の後味 8.06点 Review29人
4 音楽評価 7.80点 Review30人
5 感泣評価 8.00点 Review29人
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【アカデミー賞 情報】

2008年 81回
外国語映画賞 受賞 

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