38.《ネタバレ》 明るい笑顔としおらしいい原節子を見慣れていると、この作品の原節子は少し衝撃的に写った。無言と目つきが示す不機嫌さと父への執着心は異常に感じる。原が演じる紀子がどう見ても積極的な気持ちで結婚を決意していないところが気になる。そこは「麦秋」と似ているようで全く違うところで、後味はかなり異なる。「東大出でゲイリー・クーパー似」の見合い相手は、いったい誰が演じるのか非常に興味深かったのだが・・・笠智衆演じる父にはまんまと一杯食わされた。 【きーとん】さん [DVD(邦画)] 5点(2010-09-28 19:45:16) |
37.《ネタバレ》 小津作品初鑑賞ですが、たいへん素晴らしかった。父と娘の愛憎をあますところなく描き、見ごたえがありました。特に感心したのは、原節子の撮り方。さんざん嫁に行けと言われ、さらに父が再婚するのではという疑念にとらわれた紀子は、それまでよりも数年老けたかのような印象を受けます。まるで魔女のような。心理状態を表情というか、顔全体で表すみごとな演出でした。途中、能の場面まで来て、長い映画だなと思ったら、まだ半分程度。短い時間のうちに、さまざまなドラマを豊かに物語る、密度の濃い作品。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2009-10-27 19:36:52) |
36.《ネタバレ》 お父さんだって、娘が嫁ぐのは嫌に決まってます。でも娘のことを想い、そんな仕草を一切見せず、常に笑顔で娘に接するお父さん。こんな素敵なお父さんなら、離れたくなくなる紀子の気持ちも分かります。そんな父娘の物語を、小津監督の優しい目線で描かれています。小津監督の作品に共通することかもしれませんが、登場する男性は皆紳士的で、女性はおちゃめで愛くるしく、それが見てて心地良いんです。そしてシュールで淡々としている分、引き算の効果で想像力を掻き立てられるので、少しの言動で笑えたり、また自分自身どこに反応したのか分からないうちに突然泣けてきたりします。やはり小津作品は最高です。 【VNTS】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-06-19 20:47:40) |
35.《ネタバレ》 この娘の父に対する強烈すぎる気持ちを理解しかねる私が言っても説得力に欠けますが、父と娘を題材とした映画の中で本作は最高傑作の一つだと思います。能を見物するシーンであるとか、旅館での娘の告白シーンであるとか、父親が再婚すると一世一代の嘘をついたと告白するシーンから寂しげなラストカットであるとか…父と娘の別れの寂寥が胸にジーンと響きます。 〝そうかね、そうかね〟等々、確認するかのように繰り返し繰り返し言う台詞が何とも奇妙でもあるのですが、そのリズムがどこか心地良く、さらに登場人物の簡単な説明さえしておけばサイレントでも十分に伝わってしまうであろうほど一場面一場面も完璧です。 しかし何と言っても圧巻なのは原節子さんの表情から笑顔が消える瞬間であり、それはそれは震えるほどに素晴らしいです。 【ミスター・グレイ】さん [ビデオ(邦画)] 10点(2009-03-09 18:30:19) |
34.おばちゃん(杉村春子)の軽妙な会話は楽しいが、後は間とか雰囲気モノなのでまったりしすぎてて眠い。こぢんまりとしたリアリティがあります。現代には無い世界観ですな。小津映画は評価するのがなんだか恐れ多い。 【すべから】さん [DVD(邦画)] 6点(2008-07-15 17:58:20) |
33.親父の感情のないセリフと娘のファザコン発言に引いてしまった。 【Yoshi】さん [DVD(邦画)] 4点(2008-05-10 00:56:29) |
32.《ネタバレ》 初めて見た小津監督の作品がこれでした。 もうなんというか…切ない…。味があるってこういうことですか。 京都旅行の夜からラストシーンまで涙涙でした。 【norainu】さん [DVD(邦画)] 9点(2008-03-27 18:50:13) |
31.《ネタバレ》 ワンシーンが長い上、二時間以内という上映時間。なのに、特に退屈することもなければ、あっさりした作品というわけでもない。時代が時代なので全て共感できるわけではないのだが、最後は紀子を娘のように思ってしまった。なんら意外性のない話だが、あの状況、あの時代でそう考える人がいるのも不思議ではない。そして、小津監督の画への凝りはここでも最大限に発揮されている。風景一つをとっても素晴らしいと言える。圧巻はラストの波。「人間生活の歴史の順序」と言っていたシーンとリンクする。どこかこじんまりしていた話だが、ここで大きく花開いて終わる。何とも素晴らしいエンディングだった。 【TOSHI】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-03-11 23:26:25) |
30.説明セリフが一切なく設定もキャラ紹介も全て何気ない会話や仕草で説明している。紀子の結婚相手を一切登場させていない点を一例として、伝えたい物語の芯の部分に集中してドラマを展開させている。日本家屋の美しさを存分に生かした計算された構図設計。よく言われる小津映画の特徴が最も端的に現れている入門編ともいえる作品。ラストの親子の会話、特に父親の言葉はあまりに美しすぎ、人生の本質的なものを見事に表現していると思う。人生とは別れであり残酷なものだけれどそれを受け入れてこそ幸せを感じることができるのではないか・・・というような(言葉にすると非常にくさいというかうっとおしいわけですが)ことを言葉ではなく映像で魅せていく、これはやっぱり芸術でもあり大衆の心を揺り動かす一級のエンタメ映画だと思います。この作品を観ないで人生を過ごすのはあまりに勿体ないと感じてしまう。ドラマチックな要素がなく退屈だとかいろいろ文句をつけることはたやすいが、人生とか人間とか幸せとかいろいろ悩む全ての人に一度は観てみることをお勧めしたい。 【Sean】さん [DVD(邦画)] 8点(2007-12-27 16:15:32) |
29.月丘夢路って、若い頃はこんなに綺麗だったんですね・・・ ほんと、驚きました。 【にじばぶ】さん [DVD(邦画)] 6点(2007-10-15 19:54:15) |
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28.まだ、結婚もしていないのに号泣してしまった。自分の娘が生まれてから観たら、どうなっちゃうのか今から心配です。ラストシーン。あれは反則でしょう。 【枕流】さん [DVD(邦画)] 10点(2007-08-15 22:40:03) |
27.《ネタバレ》 笠智衆も原節子もやたらと笑顔なのが気になった。 【なますて】さん [DVD(邦画)] 7点(2007-06-18 13:58:37) |
26.初めて見た小津映画。ローアングルが特徴の小津作品であるが、動きの多い昨今の作品を見慣れてしまうと、どうしても退屈感は否めない。また、物語の展開がどうしてもホームドラマのように感じてしまって、映画的なスケールを堪能できなかった。しかし、この作品が名作である、ということは何となく感じた。ハッキリ言って学生の私にはいまひとつ理解できなかったが、何十年かしてもう一度見返してみたいとは思った。 【ドラりん】さん [DVD(邦画)] 7点(2007-05-13 23:17:36) |
25.《ネタバレ》 落ちる林檎の皮。空の壺。人生を生きてゆく厳しさ+老いる事を実感する寂しさ。個人的には小津作品のターニングポイントは女優原節子+杉村春子との結びつきも含めてこの作品と思う。10年後、20年後に見てみてどんな感慨を呼ぶのか楽しみな一本。(ちなみに私が見た今は無き銀座並木座での併映は成瀬巳喜男の「めし」。事情をしらないおば様の一言「あんな結婚生活になっちゃったの!可愛そうねぇ~。」いや違いますって。) 【Nbu2】さん [映画館(邦画)] 10点(2006-09-30 18:05:19) |
24.小津監督らしい優しくってしみじみとする映画でした。ストーリー的には秋刀魚の味に似ている。娘を嫁に出す親父と娘の心の葛藤。なんともたまりません。笠智衆の親父役が涙ものです。あの人なくては小津映画はなかったかも、というくらい。言葉少なに、微笑みながら頷く姿は心にしみこんできます。会話のシーンで役者が繰り返し同じせりふを言うところはなんともリアリティに溢れていてよかったです。映画であんなシーンは小津以外に観たことありません。 【kaneko】さん [DVD(邦画)] 9点(2006-07-18 17:14:39) |
23.《ネタバレ》 どうしてこうも激しくイマジナリーラインを無視しまくるんだ?という疑問は、やがて会話シーンの正面向きカットバックと、画面の安定をもたらす水平線と垂直線の存在の執拗な反復によって、イマジナリーラインに対する拘りなどどうでもいい、これが小津安二郎という人のスタイルだって事に気付くと共に解消しました。目線が合ってなくても、モンタージュすら危うい状態であっても、独自性を貫く事で理論だけでは語れない世界が広がってくる、と。ややこしいハナシはともかく、大した事は語ってない映画です。父娘二人で暮らしてきたファザコン家庭が、いつまでもこのままじゃいられない、と娘を嫁にやる、ただそれだけの話。でも、とっても豊かなのですね。どうでもいいような会話の中に可笑しさや愛おしさや切なさがいっぱい詰まっていて(同じどうでもいいような会話でもタランティーノのアレとはニュアンスがかなり違います)、何気ないシーンの積み重ねが登場人物への深い思い入れを生みます。ゆえにラストの切なさときたら。終戦間もない頃の日本の、それでも豊かな風景と心に、日本人としての和の和みを与えてくれる映画でもありました。 【あにやん🌈】さん [DVD(邦画)] 8点(2006-07-04 00:59:57) |
22.《ネタバレ》 小津と原節子が初めてコンビを組んだ作品とか。前半はそんな面白いと思わなかったし小津作品では珍しくはずれかと思ったけど、能のあたりから面白くなった。「クマタロウ」とか真面目に言ってる杉村春子がおかしいし、なんと言っても笠智衆。原節子に「夫婦」を説くシーンもいいけど、やっぱり嘘のシーンの表情が素晴らしい。フィルムの状態が悪いのがちょっと残念な作品。 【バカ王子】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2006-05-31 23:32:18) |
21.原節子の演じる紀子が予想以上に幼稚なので少し違和感があったが、 笠智衆の演技は素晴らしかった。 優しい性格の自分に鞭を打って娘に説教する父親の姿に、 いかにも日本らしい温かさを感じました。 【Ruby】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-05-16 02:30:19) |
20.あくまで静止画、本当に動かないフレーム、、、だからこその味わいを再確認しましたよ。 やはりラストシーンがよかったです。りんごの皮をむきながらのお父さん一人の空間、なんともいえない寂しさでした。 【maemae】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2005-12-13 00:40:32) |
19.笠智衆ののんびりした喋り方が好きですが、この作品は怒鳴るような喋りが多かった。 【午後のコーヒー】さん [DVD(吹替)] 3点(2005-11-29 20:40:29) |