1.《ネタバレ》 あんまり評判がよろしくないのが残念ですが、大好きなヘレナ・ボナム・カーターの出演作のなかで随一の映画だと思います。彼女の魅力を一番引き出してくれています。ヘレナ演じるケイトは、どんどんイヤな女になっていくのだけれど、これが心底憎めない。なんでマートンみたいな優男にそこまで・・・と思うけど、人を好きになるってそういうもの。もう理屈じゃない。そして、企みどおりに事が運ばないのも恋愛の定石。どうしてこう、人の心って厄介なんでしょう。原作(未読)のケイトはもっと冷酷かつドライでマートンを失ってもミリーの遺産はしっかり手にするそうですが、人間臭く魅力的なのは映画のケイトでしょう、やっぱり。そして、こういうクセのある高貴な女を演じさせればヘレナは魅力全開になるのです。衣装、美術、映像も素晴らしく、シャーロット・ランプリングまでご出演。もう贅沢そのものの映画です。・・・それにしても、思い入れのあり過ぎる映画ってのは、レビュー書きづらいですねぇ。いや、ホントにこれ、なかなかにイイ映画なんですよってことを伝えたいだけなんだけど・・・。