2.《ネタバレ》 泉谷しげるが演じる保護司はこの映画でタケオ、アサト、シホを結びつけるキーパーソンだ。「テメーに守秘義務はないのか!」「ねーよ、そんなもん。」と言う調子でタケオの過去をアサトに知らしめ、シホに対してはアサトが保護観察を受けている理由をごまかし、それに感心したタケオにシホの過去を伝える。保護司にあってはならない行動だろう。結果として三人に友情が芽生えたのだから結果オーライと言って良いのかどうか。職に課せられた義務を踏み越えるには相当の覚悟が要るが、この人はどうだったんだろう。などど本筋と外れたところに考え込んでしまうのは、泉谷の配役がぴったりだったからだろう。
後はついていけなかった。子供が公園でけがをして痛がっているのが可哀想だとその傷を取るアサトの行為は、危ないからと鉛筆削りの小刀を取り上げ、ビリの子が出るからと徒競走を運動会から無くし、などを連想して不愉快だった。けがの中から、痛みに耐えることから子供達が学ぶことは一杯ある。それを奪ってはいけない。
玉木宏のビジュアルだけが取り柄だ。ただ、発声は問題だ。声そのものはステキなのだが、感情を込めた叫び声の出し方が課題だな。「辛ければ友達に頼れ。」が聞きとれない。