2.《ネタバレ》 タイトルバックの映像は前作とまるで同じじゃないですか。そのほか中盤以降の舞台となる廃業したディスコも前作で佐藤浩市がオーナーだったところ。おまけに暴力団の組長と若頭も前作ではたしか死んだはずの永島敏行と鶴見辰吾とくれば、ちょっと混乱します。そして前作の五人組も本木雅弘以外の四人がちょい役で特別出演しているので、まるで死んだキャラを演じた役者が別の役で何度も顔を出してくる『仁義なき戦い』シリーズみたいです(笑)。 まあとにかく、女優に入れ替えた五人のキャラ付けが前作以上にピンボケだし、途中で本職の宝石強盗の女まで加わるので“GONIN”じゃなくなるし、けっきょくセーラー服姿で通した大竹しのぶと乳だしまでしてくれた喜多嶋舞しか印象に残らなかったじゃないですか。でも大竹しのぶのJKコスプレは明らかに放送事故でした(笑)。「これは緒形拳を見るための映画だ」と言ってしまうと元も子もないんですが、緒形拳、お前死ぬまでに何発タマ撃ち込まれてるんだよ!ストーリーも相変わらず陰鬱だし、ラストでまさかお元気そうな三人娘(?)が左とん平のタマをとるとは、これはこの監督なりのハッピーエンドなのかもしれません。 思うに石井隆という人は三池崇史になり損ねたと総括できるんじゃないかと思います。逆に言えば、三池崇史は進歩した石井隆なのかもしれません(笑)。