1.映像、音楽、脚本、演技と、全てに於いて凄く古臭い雰囲気を漂わせる、昭和38年に起こった国税庁による飯塚毅税理士弾圧事件、通称「飯塚事件」を描いた高杉良原作の実録映画。高度経済成長から置き去りにされつつある「負け組」の視点や、「内部告発」等といった題材は現在との共通点が感じられますが(正にこれこそが本作の製作意図だと思う)、如何せん、映画の作りが前述の通り甚だ古臭く、まるで視覚障害者向けの多重音声みたいな江守徹のナレーションも白ける。「不撓不屈」の精神で国家権力に挑んだ飯塚税理士の如き「誠実」な映画であるとは思いますし、「初恋」なんかと比べれば遥かに時代を再現できてますけど、はっきり言って仕上がりは三流です。ということで、「誠実さ」に+1点して、4点献上。