2.《ネタバレ》 市川雷蔵はイイですね~、眠狂四郎やってる人と同一人物とはとても思えない明るい演技です。長大な井原西鶴の原作を上手に脚色してあり、勘当された世之助が女を漁って日本をひとめぐりすると言うゴージャスさです。ほとんど江戸時代のポルノグラフィと呼べる西鶴オリジナルに、武士に抑圧される町人の悲哀を織り交ぜてくるところは、監督が増村保造ならではです。ホンワカしたテーマ音楽と雷蔵のしゃべくりが見事にマッチしておりまして、世之助が愛した女子がみな死んだり殺されたりしちゃうのに不思議と観終わって爽やかさが残ります。女優はいろいろ出ていますが、やっぱり若尾文子が飛び抜けて輝いていました。