1.冒頭、ある島に向かおうとしている1艘のボート。
数日後に結婚式を挙げるハリーとエマ、結婚式に参列する2人の友人達が島に渡ろうとしている。
その中にはまだ広く世に知られる前のナオミ・ワッツの姿も。
しかし何とも言えない華やかさがある。これが後に世界的なスターになる人のオーラなのかな。
そして新郎の親友の「あの島で過ごした週末からもう5年が過ぎた。まるで昨日のことのようだ」という語り。
序盤から作品全体の色調も、新婦エマの姿も、どこか儚げに見える。
こういう回想で始まる実話モノの場合、悲しいストーリーが多いような気がする。
実際、その予感どおりの悲しいお話ではあるのだけれど・・・。
美しい西オーストラリアの海。その海に浮かぶ小島の風景も、登場人物の心も美しい。
新婦エマが透き通る海に身をゆだね浮かんでいる姿もまた美しい。本作で最も印象に残るシーンの1つです。
作品の実に多くの時間帯で、静かで控え目な音楽が流れている。
実話モノでありながらどこか詩的で叙情的な作品の空気にそれがとてもよく合っていました。