1.《ネタバレ》 前作を「ファンタジーとしてちょうどいい感じ」と形容しましたが、前回の原作未読な状態と今回の既読な状態とでは、多少、いや、相当見解が違ってきます。原作が児童向けなのに対して映画はもう少し年齢層を上げ、原作にないエピソードをあれやこれやと盛り込む事(原作通りの映画化ならば1時間半もあれば十分でしょう)で、プラスとマイナスとがハッキリとしました。カスピアン王子とピーターとの対立や、スーザンとの淡い恋は、物語に奥行きが生まれた一方、ミラース王の陰謀、城への夜襲のエピソード、アスランによるテルマール軍への攻撃などは、必要以上に作品世界を荒々しくハードなものにしてしまっているように思えます。『指輪物語』の影響ゆえ、娯楽ファンタジー要素てんこ盛り大作にせざるを得ないという感じなのでしょうが、もう少し呑気で牧歌的であっていいと思うのですが。クライマックスでは原作のファンタジックな展開を、前作と変わり映えしない乱戦に変えてしまった点で勿体ない感じですし。とは言え、すっかりこの世界にハマり、映画を見ている間ずっとワクワクさせてくれたので十分に堪能、満足しました。ネズミかわいーし。