お嬢さん(2016)のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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お嬢さん(2016)

[オジョウサン]
The Handmaiden
(아가씨)
2016年上映時間:145分
平均点:7.07 / 10(Review 15人) (点数分布表示)
公開開始日(2017-03-03)
ドラマサスペンスコメディミステリー小説の映画化
新規登録(2017-03-08)【Carrot Rope】さん
タイトル情報更新(2017-03-24)【Carrot Rope】さん
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監督パク・チャヌク
キャストキム・ミニ〔女優・1982年生〕(女優)秀子お嬢様
キム・テリ〔女優・1990年生〕(女優)スッキ・珠子
ハ・ジョンウ(男優)藤原伯爵・詐欺師
チョ・ジヌン(男優)叔父・上月
キム・ヘスク〔女優・1955年生〕(女優)佐々木夫人
ムン・ソリ(女優)叔母(特別出演)
イ・ドンフィ(男優)
脚本パク・チャヌク
音楽チョ・ヨンウク
撮影チョン・ジョンフン
配給ファントム・フィルム
美術リュ・ソンヒ
字幕翻訳根本理恵
その他ファントム・フィルム(提供)
あらすじ
貧しい街で親の顔も知らず犯罪集団に育てられた少女スッキ。ある日彼女は、藤原伯爵と名乗る詐欺師から、ある資産家の家に入り込み、その家の令嬢を騙して藤原と結婚させることで全ての財産を奪い取る計画を持ち掛けられる。計画に乗った彼女は、郊外の豪邸に首尾良く珠子という名でメイドとして潜入し、そこに住む令嬢・秀子の世話係として働くことに。人なつこく熱心に働くスッキは秀子に気に入られ、計画は順調に進むかのように感じられたが、二人の距離が近付くほど彼女は秀子に惹かれていく。果たして計画の行方は…。英国の作家サラ・ウォーターズによる「荊の城」を元に、「オールド・ボーイ」のパク・チャヌク監督が舞台を日本統治下の朝鮮半島に置き換えて描くエロチック・サスペンス。
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7.《ネタバレ》 極めて「純粋」な映画だと思った。
人間の、ほとばしる欲望、溢れ出る性欲、入り乱れる情愛と憎悪、そして変態的嗜好。
この映画に登場する人間たちは、只々純粋に、自らの抑えきれない衝動に駆り立てられ、ひたすらに埋没していく。
その様は、あまりに利己的で醜い。だがしかし、同時にとてつもなく淫靡な美しさに溢れかえっていることも否定できない。
それは、この映画を観ているすべての人間たちに共通する本質であり、拭い去れない人間そのものの「業」なのだろう。
蜘蛛の糸のように映画全編に張り巡らされた“インモラル”が、絡みつき、徐々に、確実に、映画世界の奥底に引きずり込まれる。

映し出される映画世界は極めて異質。パク・チャヌク監督の容赦のない演出と、禍々しくも美しいビジュアルは、背徳感に溢れクラクラさせられる。
彼の監督作を観たのは、2003年の「オールド・ボーイ」以来だったので、芳醇な韓国映画界の中でも屈指の映画作家である彼の他の作品を今一度しっかり観なければならないと思う。

一方で、サスペンスとしてのストーリーそのものは、案外オーソドックスだったとは思う。
二転三転はするけれど、それが想定外の展開だったかと言うとそんなことはなく、驚きはあまりない。
ストーリーテリング自体も、良い意味でも悪い意味でも「寓話的」であり、リアリティラインが低い分、描き出される物事の烈しさの割には、キリキリとするような緊迫感はそれ程感じなかった。
むしろ、ある程度狙いだったのだと思うが、烈しく過剰過ぎる演出は、時にユーモラスにも映り、それもまた独特だったと思える。

明確な難点としては、韓国人俳優たちが時々発する“日本語”の精度が低かったことだ。
決して聞き取れなくはないけれど、キャラクターの設定上ネイティブレベルの日本語力があって然るべきだったので、その聞き取り辛さは、日本人鑑賞者としてどうしても“雑音”となってしまった。
もう少し適切な日本語指導の下で丁寧なトレーニングをしていれば、きっと解消出来ていた筈なので、その部分に関しては少々残念だ。

また濡れ場シーンでの雑なボカシも大いに気になった。大昔のアダルトビデオじゃあるまいし、もう少し何とかならないものか。
確固たる「芸術作品」に対する国内の規制の価値観は、もうそろそろ見直されるべきだと思う。


下劣な男たちは地下で朽ち果て、純粋なる欲望を貫き通した彼女たちは、そのまま世界の果てに突き進む。
ありとあらゆる意味で、体の奥底が熱くなる映画であることは否定しようもない。
鉄腕麗人さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2018-04-18 08:37:03)(良:1票)
6.《ネタバレ》 隣にだれが座るか分からない映画館での鑑賞を避け、レンタルを待ちました。
待ちきれなくてレビューも見ちゃいました。というわけで無垢な状態で見れなかったのは残念です←自業自得

前知識があったため、エロい、ド変態、と騒ぐほどではなかった。ただただ韓国エンタメ界の威力に驚きました。
とかく「濡れ場」を背徳イメージで映像化することの多い映画界。もしくは下ネタチックに大げさに茶化したり。
この「お嬢さん」の濡れ場は、美しく官能的で、何より悦び喜び慶びに溢れている。楽しそう、嬉しそう、幸せそう!
これがこの映画の本当にスゴイとこだと思います!それに手抜きの無い演出。
美しい2女優さんは知らない人でしたが、詐欺師とエロじいさんはなじみ深い役者さんです。特にエロじいの方は、ドラマでさんざん感動させていただいた名優さんです。王に忠誠を尽くす剣術に長けた武士か~ら~の~墨で舌を真っ黒にした変態おやじ。☆4つですっ!てことで8点です。

2018.3.12 wowowで視聴。
R18をR15にしてカットしたりピーしたりボカシたり、ひどいのではないでしょうか。つまり作品をイジリまくる。他にもカットされてるとこがあるのではと懐疑的に。それにボカシたら一気に安物AVみたいで残念です←見たことありませんがw 
二度見ると、セリフにも細かな伏線が張り巡らされていて、やはり日本語字幕があった方がグッとわかりやすいと思います。映画の評価は変わりませんが、wowowのやり方に疑問です。
LOISさん [DVD(字幕)] 8点(2018-03-13 17:11:10)(良:1票)
5.とことん作り込まれた世界観が心地よい。

洋と和が同居する巨大な屋敷では夜な夜な官能小説の朗読会が行われ、膨大な数の稀少本が取引されていた。

その屋敷の主は上月という変態ジジィで、一緒に暮らす日本人の姪(お嬢さん)と結婚しようとしていた。そこへ、詐欺師の男と仲間の女が侍女として乗り込み、財産を狙う。

二転三転する物語はサスペンスと官能に満ちており、飽きさせないし、何より俳優達の演技の本気度が日本映画とは桁違いな次元で凄さが画面から滲み出てる。美術面においても妥協のない作り込まれたビジュアルは圧倒的な説得力を放っていた。

ストーリー的には多少無茶な所もあったが、その雰囲気だけでも一見の価値ありな凄い映画だと思う。
ヴレアさん [映画館(字幕)] 8点(2018-03-11 18:42:55)
4.皆さんに足並みを揃えて8点。というわけではなくホントは終盤までは9点、10点つけたい作品だと思っていたのですが、ちょっと最後の終わり方がやや間延びしてしまったため減点しました。ダラダラせずもう少し潔くスパッと終わりにしてくれたらサスペンスとしても純愛ものとしても完璧だったと思います。(エロ全開なので純愛と言っていいかわかりませんが自分にはそう感じられました)。日本語が下手で聞き取りづらかった点はやや不満。それにしてもこの監督さん拷問とタコが好きですね(笑)
映画大好きっ子さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2018-01-22 21:43:23)
3.《ネタバレ》 『ラスト、コーション』みたいな官能心理サスペンスだと思っていたら、成人向けの『アナと雪の女王』だった。大金を求める侍女・スッキと自由を求める令嬢・秀子。伯爵に持ちかけられお互いを陥れるはずが、次第に心を通わせていく過程を丁寧に掬い上げ、気持ちが高揚していく。日本に対するコンプレックスと憧れを体現した淫靡で壮麗な美術が異空間として広がっていき、重苦しい展開をユーモアで繋ぎ止めるパク・チャヌク監督の真骨頂だろう。第三章は意外性の物足りなさ、逃走劇の詰めの甘さが気になったが、自分たちを支配しようとする叔父と伯爵を懲らしめてハッピーエンドは爽やかで悪くない。舞台をヴィクトリア朝の英国から日本統治下の朝鮮半島へ大幅に改変して原案同然になったからこそ出来た結末だ。日本に憧れを求めた"ニセモノ"からの解放。性別と階級と国籍からの解放。しかし、時代背景からすると末永く幸せに暮らしましたとは思えない。二人からはどこか淡く儚い、幼子の遊びみたいなものを感じるのは自分だけだろうか。細かい人間関係及び小道具を見直したくなるくらい面白かった。
Cinecdockeさん [DVD(字幕)] 8点(2017-12-31 17:18:56)
2.《ネタバレ》 うーん、日本人に成りすましたり帰化した設定なので間違いではないのだけど、
妙なイントネーションで滑舌の悪い日本語の会話にも字幕が欲しかった。
欧米で公開するバージョンなら、全部字幕か吹き替えなんだろうな。
騙す側と騙される側の単純な話では、映画になりませんよね。やはり展開があります。
しかも、情に流されてねじれて行きます。種明かしの後半戦から面白くなります。
エロと変態の描写が、ポルノ映画の半分程度とはいえ、何度も出てきます。
普通のサスペンス映画なら、キスして倒れこんで次へ行くところですが、ネチネチ引っ張ります。
前情報通りなので驚きませんが、近くの席に一人で見に来た若い女性が居たので集中困難・・失礼。
原題では「女中さん」なのに邦題では「お嬢さん」てのはナルホドでした。
まあ確かにそんな話でしたが、詐欺師の伯爵があんなに酷い目に合うのは身から出たサビとはいえ
辛いものがある。しかも予定と違ってしまい、美味しい体験はなしってのも可哀想かも。
元は、イギリスの推理小説で、設定を変えて映画化。原作がホントにこんなエロイのかどうか、
読んでみるべきか思案中。
韓国の女優は、凄いなあ。脱ぎっぷりどころか、ポルノ並みの演技って、日本の女優さん達は
絶対お断りだろうなあ・・ あと子役に隠語言わせるのにもビックリ。
一番好きなシーンがあります。首吊り自殺しようとするシーンが、唯一コメディ然としてていい。
本音がムキ出しになって、心が通い始める重要なシーンでもありますが、見せ方が良い感じです。
韓国映画に多い残念なエンディングテーマソングは相変わらずでした。考えてみれば感動も何も
ない終わり方なので、かわいらしい女性ボーカルは間違いではないけど、座り心地が悪くなる。
ゲノムハザードの川井憲次氏の重厚な音楽が欲しいところ。
家で独りで見たいという需要あるでしょう、ブルーレイは売れそうですね。 失礼・・
グルコサミンSさん [映画館(字幕)] 8点(2017-06-22 16:42:13)
1.《ネタバレ》 これは凄い。官能映画ばりのシーンを織り交ぜながらの超一級のサスペンス・エンターテインメント。日本統治下の朝鮮半島で、日本語と朝鮮語が入り交じって展開する物語。ちなみに英語圏で観たので英語字幕付きでした。日本語ネイティヴではない俳優たちの日本語セリフの危なっかしさは、母語ではない支配言語を身につけることを強制された(そして、それを倒錯的に求めた)植民地状況の表現であると思えば、それもまた一つの技法として観られる。キム・ミニ演じる秀子お嬢様の美しさ、キム・テリのスッキの真っ直ぐなところ、詐欺師の狡猾さとタフさ、そして「植民地」を象徴・体現する上月の倒錯ぶり。これらを、まさに力業でエンタメに仕立て上げてしまうパク・チャヌク監督の底力を堪能できる2時間半です。第1部と第2部の描き込み(とくに第2部の密度は凄い)と比べると、第3部がちょっとうまく行きすぎかなと思う部分もあったけれど(とくに精神病棟からの脱出や船の切符購入のあたり)、久々に韓国映画らしい濃密な映画体験を楽しむことができました。エロなシーンも倒錯の描写も手抜き無しで、R18指定も含めてそっちが話題になるのはしょうがないかもしれないけど、それが気になって観ないのなら本当にもったいない本格的な「娯楽映画」です。
ころりさんさん [映画館(字幕)] 8点(2017-03-22 15:00:16)
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【点数情報】

Review人数 15人
平均点数 7.07点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
416.67%
516.67%
6320.00%
7213.33%
8746.67%
916.67%
1000.00%

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