18.ドン底からの暴力による抗いを描きつけるシリーズ第4弾。 東京五輪を間近に控え、時代が生んだアウトローたちの一寸のカタルシスは、権力と時代の激流により徐々に確実に淘汰されていく。 暴力のカリスマ二人が、極寒の留置所で諦観じみた掛け合いをする様が哀愁に満ち溢れる。 菅原文太、そして小林旭、稀代の映画スターの存在そのものが、今作における圧倒的娯楽である。 いつの時代であれ、暴力団という存在を肯定するつもりは一切ないけれど、敗戦に伴う喪失と屈辱、国全体の貧困と飢えが、彼らを暴力に駆り立てたこともまた事実だろう。 言うなれば、この稀代の暴力映画シリーズの根底にあるものは、この国の覆い隠された生身の姿なのだろうと思う。 だからこそ、ひたすらに繰り広げられるバイオレンス描写と愚かしいヤクザ世界の人間模様に、一抹の滑稽さと多大な娯楽性と共に、どこか拭い去れない侘しさを感じてしまうのだ。 クエンティン・タランティーノをはじめ、世界の映画ファンからも愛される日本のヤクザ映画だが、日本人にとってのヤクザ映画には、時代を越えた特別な感慨がじっとりと染み付いている。 それは、ヤクザ稼業の人種に関わらず、この国のすべての人達がかつて味わった「侘しさ」を思い起こすからだろう。 この「仁義なき戦い」シリーズをはじめ、この国のヤクザ映画が老若男女に愛された理由は、そういうところにあるのではないかと思える。 【鉄腕麗人】さん [インターネット(邦画)] 8点(2017-11-08 19:56:41) |
17.本作の主役は小林旭でしょう。神戸ヤクザにタンカを切るシーンもいいが、請求書の束に悶絶したり、エンストしたクルマを必死に押したりするシーンもいい。いかにもインテリヤクザ風でありながら、常にカッコいいわけではないというギャップがたまりません。そして秀逸は、やっぱりラスト。いかにも寒そうな刑務所のベンチで、「昌ちゃん」とお揃いの寒そうな雪駄を履き、淡々と語る姿にシビれます。まったく場違いではありますが、この場面には松任谷由実の「ノーサイド」がよく似合う気がします。 【眉山】さん [インターネット(字幕)] 8点(2015-01-25 12:05:07) |
16.2013.03/22 鑑賞。小林旭の貫禄には恐れ入る。シリーズ物としても質が落ちず佳作。 【ご自由さん】さん [DVD(邦画)] 8点(2013-04-24 23:47:15) |
15.《ネタバレ》 シリーズ第4作。いよいよ抗争が激化して最初から最後まで息つく暇もないほどなのだが、これまでなかった一般市民の犠牲や、抗争事件の取材に躍起になるマスコミ、そして暴力団一斉検挙に乗り出した警察という要素が加わったことで見ごたえが増していて4作目というのにクオリティを全く落とさないのは凄い。今回は広能(菅原文太)が前半で警察に逮捕され、後半は前回登場した武田(小林旭)が引っ張っていくあたりは「広島死闘篇」同様にこのシリーズがヤクザ社会を描いた群像劇であるということを強く感じさせられるし、次々と登場する曲者ぞろいのキャラクターたちもこのシリーズの魅力なのだろう。深作欣二監督の演出も相変わらずパワフルで魅せてくれる。最後は警察の頂上作戦によって生き残ったヤクザたちが逮捕されてしまうのにはなぜか哀れみを感じてしまった。それに最後の最後、広能と武田の会話はグッと来るものがあり、広能や武田よりも山守(金子信雄)のような卑怯者(でも、なぜか個人的には打本(加藤武)同様、なぜか嫌いにはなれない。)の方が刑期が短いというあたりに世の中の矛盾も感じさせている終わり方で印象に残る。それに完全にこの回で完結してもおかしくない空気が流れていて、実際に笠原和夫の脚本のシリーズとしては最後になった(次回以降降板)のも理解できる。菅原文太が広能を演じるのはあと一作残されていて、もちろん見るつもりでいるが、くどくならないかがちょっと心配。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 8点(2011-03-10 15:35:32) |
14.《ネタバレ》 前作には見られなかった警察の要素が入り、山守組と打本勢と警察の三つ巴の抗争が面白い。打本と山守のクズッ振りに磨きがかかっている事も面白さの一つですね。長大な物語も遂に大佳境を迎え、広能達の世代交代を匂わせて映画は終わる。辛酸を嘗め続けている広能(と武田)だが最後には彼らに笑いを与えて終わって欲しいと思います。打本や山守の様な卑怯で小心のクズが直ぐに釈放され、広能や武田の様な仁義と度胸を携えた男が長期刑を受けている図は非常に辛い気持ちになりました。 【民朗】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-06-28 00:27:27) |
13.《ネタバレ》 シリーズ最終作のつもりだったんだろう空気が出まくりの4作目。 混迷を極める、ヤクザの争いに警察が介入。 徐々に追い詰められていくヤクザたちが惨め。 そんな中小林旭がやたらとかっこいい。 「広島ヤクザはイモかもしれんが、旅の風下に立ったことはいっぺんもないんで」 の一言で抗争激化! ただ最後は文太も旭もみんな惨めにくそ寒い刑務所の中。 不器用なやつは刑務所でも不器用で、懲役をくらい器用な山守はうまく逃れという図式が印象的。 最後の「広島ヤクザ戦争はなんの実りもなく終結を迎えた」というナレーションでシリーズの幕を感じた。 【CBパークビュー】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2009-07-24 22:45:34) |
12.《ネタバレ》 今作は広島死闘篇並みに菅原文太の出番がなく残念。代わりといっては何だが、松形弘樹が何食わぬ顔で復活している。そして、シリーズを追う毎に政治色が強くなり、ラストのナレーションは妙に印象深くなっている。ストーリーとしてある程度の終息を迎えているようには見えるが、完結篇でどうなるかに期待がかかる。 【TOSHI】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-04-18 11:41:28) |
11.《ネタバレ》 松方ゾンビが何食わぬ顔をして復活し、またあっさり殺されるものだから、本筋よりも気になって気になって… 【フライボーイ】さん [DVD(邦画)] 8点(2007-11-29 16:52:01) |
【ジダン】さん [ビデオ(吹替)] 8点(2007-11-06 17:48:44) |
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【Dr.Tea】さん [DVD(邦画)] 8点(2007-08-12 01:13:08) |
8.第4作。まだ完結篇あるけど、話としてはこれでかなりまとまってる。まだ何かあるのか完結篇が楽しみ。今回は始まりからずっと戦争してて面白い。結果みんな捕まってるけど山守親分最高。かなり面白いっす。 【バカ王子】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-10-13 21:06:36) |
【マイアミバイス】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2005-04-30 00:00:03) |
【モチキチ】さん 8点(2005-02-08 03:13:04) |
5.最期の刑務所での会話を何度観たことか・・・旭のファンになった作品です。 【蘭丸】さん 8点(2005-01-03 08:53:11) |
4.いやぁ、どこまでもキャラがカッコいい…。最後のナレーションの後の『終』で仰け反ってしまいました。 |
【かじちゃんパパ】さん 8点(2004-10-14 18:21:29) |
2.完結編に向かってさらに気合が増してる。本当にこういうつくり方が最近の映画ではできなくなってるからな。本当に新鮮。 俺が生まれたころだからよくわからんけど 昔は、みんなでこぞって映画館に行ったんだろうね。 そんで、ビールでも飲みながら、開始のブザーを聞いたりして 次はどうなるのかなんてわくわくして・・いい時代だなぁ。 内容的にも申し分ない。なんといっても最後のシーンはいいね。 「ヒューっ!!雪入ってるよ!窓しめろよ寒いからっ!」と突っ込みを入れたくなるくらいに寒そうだ(笑) 【りょーた】さん 8点(2003-11-27 15:44:50) |
1.《ネタバレ》 「仁義なき戦い・代理戦争」とセットでご覧になることをお奨め致します(笑)。頂上作戦とは警察の暴力団対策の名称で、組織のトップを検挙することで、抗争の拡大を未然に防ごうというもの。原作ドキュメントでは警察サイドにも力点を置いていますが、本作ではあくまで中心は極道たちで、深作監督らしいまだるっこしさのない娯楽作品に仕上がっています。 |