12.1963年作、アメリカン・ドタバタコメディ超大作。結構なバカ映画です。
ある大物犯罪者が35万ドルもの大金を隠した場所を言い残し交通事故死。
その事故現場に居合わせたごくごく普通の連中に、珍道中の最中に出会った、ごくごく普通の一般市民の皆様に、
最後はお偉い警部様までもが、あぶく銭に目がくらんで35万ドル争奪戦を繰り広げる。本当にくだらない作品です。
大御所ミルトン・バールをはじめとするベテランコメディアン達に加え、
名優スペンサー・トレイシーやエセル・マーマンといったスター達の体を張ったバカコントがこれでもかと挿入されます。
監督があのスタンリー・クレイマーというのが一番の驚きですが、
普通の人たちが大金を目の前に豹変していく様にはちょっとだけ皮肉が込められているようにも思えます。
我先にカネの隠し場所にたどり着こうとカーチェイスも頻繁に挿入されますが、演出やスタントにキャリー・ロフティンの名が。
この人、スピルバーグの「激突!」の殺人トレーラーのドライバーの人ですよね。ちょっと納得です。
終盤にはチョイ役でピーター・フォークが登場。
本作の2年後、似たテイストのある公道爆走コメディ大作「グレートレース」ではしっかりいい役を貰っていました。
このようにスターが出世していく一過程が見られるのも映画好きには嬉しいところです。
途中は中だるみもあるし、160分はさすがに長い。今に見ると笑えるような笑えないような微妙なギャグもあり。
しかしこれが60年代前半の作品であることを考えると当時としてはなかなかのコメディ大作ではなかったかと思います。