《改行表示》30.《ネタバレ》 それぞれの人間関係や過去は、全て語られるわけではなく、視聴者が想像できるぎりぎりの流れだけを見せてくれる。そのぼかし方が絶妙に上手い。マネスキエがジグゾ―パズルをいじっているシーンがあるが、この映画自体がまさにパズル。映像の端々や台詞で垣間見せてくれるヒントを頼りに人間関係を解けとでも言っているようだ。 たとえば、強盗仲間であっても心を許して抱擁するほどの、実は人一倍人情の深いミランだからこそ、ルイジをかばって撃たれてしまうわけだし、マックスとドライバーのサドゥコは、警察と司法取引でもして仲間を売ったと思われる。初め、マックスは警察の潜入捜査官なのかと思ったが、ミランが彼に「太ったな」と昔馴染みをうかがわせる言葉を出しているから、違うだろう。抜けようとしたミランを無理に引き込もうとしたマックスのタチの悪さは計り知れない。 また、マネスキエもミランも、土曜日にのっぴきならない「用事」があり、この時間制限が、ドラマの明確な設計図でもある。自身の死を賭けたXデーを控えて、2人が次第に互いの人生を「隣りの芝生」視点で眺め始める。彼らの思いが、じわじわと交差していく。その流れが、小憎らしいほど自然で、台詞がまた上手い。ジョークを挟んだり、しないと公言していた質問をするなどして、饒舌と寡黙の単調なリズムが、少しずつナチュラルに変化していく。それは食事風景にも言えることで、最低限の料理と酒しか載っていないだだっ広いテーブルだったのが、ラストデイには、驚くほど小さな食卓となり、その上に果物、水差し、ヤカンとぎっしり物が載った状態となる。初日にはミランが酒を遠慮しており、最終日にはマネスキエが湯?ティー?を断る。しかも、ホスト側ではなく客のミランが最後の食事を用意しているのだから、2人の関係の変化もここまできたかというユニークさがある。こうした細々な仕掛けが台詞・映像を問わず、さりげなく張り巡らされている。何度見ても何かしらの発見がありそうな作品だ。 ラストの一見不可解な映像は、2人の叶わなかった願望をファンタスティックにシミュレーションしたもの、つまり演出家による、視聴者へのサービス映像に見えた。また、ミランが乗ってきた列車は、単なる交通機関である車両に過ぎないが、マネスキエが乗り込んだのは、ユーラシア大陸から直接北米の、例えばワイアット・アープが活躍したトゥームストーンへでも向かう夢の列車だったろう。ただ、ミランがこの街に来なければマネスキエの乗車に繋がらないわけで、タイトルの「列車に乗った男」はやはり両者を指すのだと思う。しかし、2人同時の乗車はありえないので、「男たち」ではなく単数形なのだろう。 【tony】さん [インターネット(字幕)] 10点(2017-06-10 02:14:18) |
29.男二人の佇まい。孤独な二人の心の通い合い。その淡々とした様は大人の味わい。円熟のジャン・ロシュフォールが絶品。放つ言葉全てに惹かれました。 |
28.ちょっと難解だった。男の友情、自分にないものへの憧れ。シブかったが、起伏がなかった。 【HRM36】さん [DVD(字幕)] 4点(2009-11-06 22:37:54) |
27.無感動のおしつけともいうべきそっけなさ。キャラクター造形は悪くないが、あまりのテンポの悪さに90分が長い長い。 【すべから】さん [DVD(字幕)] 5点(2009-09-05 01:41:18) |
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25.雰囲気はすっごいいいんだけど、ちょっと難解なストーリーが・・・、、。パトリス・ルコントの映画をあんまり見てないから彼がどんな映画を撮ってたかはほとんど知らないけど少なくともこの映画は自分にはあんまり合いませんでした。ですが地味さの中にもふたりのかっこよさをなんか感じてしまう、な~んか不思議な映画でした。 |
《改行表示》24.地味すぎてなんとも…。ラストの意味深な雰囲気は、あえて気にしないことにしました。正直よくわからないので。 【色鉛筆】さん [CS・衛星(字幕)] 3点(2008-12-11 07:43:56) |
23.ブルーの印象が濃い映画。男二人の奇妙な出会いと別れ。田舎の町で一人暮らしする老いた男は切な過ぎる。しかし、銀行強盗と出会ったことで積極的になった彼のイキイキとした様子が微笑ましかった。青くて悲しい印象の画像だけれど、二人の男たちのあたたかな交流がなんともよかった。 【kaneko】さん [DVD(字幕)] 5点(2008-07-25 17:49:19) |
22.珍しく普通に楽しめた。が、ルコント打ち止め。もう観ない。 【にじばぶ】さん [DVD(字幕)] 6点(2007-09-03 16:27:10) |
《改行表示》21.《ネタバレ》 こんなストーリーで、よく引っ張って行けるものだ。ただ最後が理解できず。 生きて互いに交代して第二の生き方を目指したの?甘すぎる、奇跡が二つ有り得ない。 死んだけれど、心の内を表現したの? 目を開ける、心拍復帰必要ない。でもこれが一瞬のラストを表わすのかも。如何に??? 【ご自由さん】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2006-11-04 12:33:16) |
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【Miranda】さん [ビデオ(字幕)] 3点(2006-08-04 22:17:03) |
19.《ネタバレ》 じいさんの思い出話が下ネタばかりでちょっと引く部分があるけど、それでもじっくりと見ていられます。語られる願望が集約したラストシーンがとても印象的。 【MARK25】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-06-14 20:15:43) |
【マー君】さん [DVD(吹替)] 4点(2006-05-14 14:38:31) (笑:1票) |
17.《ネタバレ》 とりあえず,2人とも死んじゃったっていうのは分かった….お互いにそれぞれの路を進むことにしたんでしょ?その辺まではわかった…でも…事実しか追えなかった…. 【紺野 忠文】さん [DVD(字幕)] 6点(2006-05-08 00:02:23) |
16.とてもパトリス・ルコントの映画とは思えなかった。女がほとんど登場しないし、まるでジム・ジャームッシュかヴィム・ヴェンダースの作品みたい。そんな雰囲気を漂わせつつも、インディ臭がしないのは流石。映像は厚みがあって美しく、ジャン・ロシュフォール(腰の調子は良くなったみたいですね)の家の美術等も素晴らしい。そして、回想シーンや説明的な台詞が一切無いのに、二人がこれまで歩んできた人生を明確に描き出している。これぞ演出! ルコント本人からすると、一度こういう映画を作ってみたかったんでしょうねぇ、劇中の二人が別の人生を夢見た様に…、7点献上。 【sayzin】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2006-04-09 00:03:32) |
15.渋かった。音楽もいいし、よくわけのわかんないラストもいい。 【ギニュー隊長★】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-12-11 12:24:50) |
14.ラストは、お互い助かったのか。それともお互い死ぬんだけれども、その直前に理想を想像しているのか・・・。わかりにくい。それ以外は撮り方が綺麗でうまいなぁと思った。20代30代の若者にはつくれない重さがあった。 【Syuhei】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-11-01 01:44:53) |
《改行表示》13.《ネタバレ》 「殺人の追憶」は、セピア色の映像で独特の世界観を作り上げましたが、この映画はまさにブルー。とても心地いいブルーです。 この映画を観てふっと「乞食と王様」を思い出しました。 アウトローの生き方に憧れる平凡な元学校の先生は乞食に憧れる王様のように見えました。 しかしそれも仕方ないかもしれない。 彼は自分があと数日で死ぬかもしれないと思い始めたとき、今までの自分の人生に疑問を持ち始めたのだと思う。それが手術を控えたジャン・ロシュフォールの演技から切実に伝わってきました。 たぶん死を前にしたときの人間は自分の過去を振り返り、疑問や後悔やいろいろな思いがあふれてくるのだと思う。姉に対しての行動もその1つだと思う。 みっともないようにも思えるがそれが人間の本当の姿のようにも思える。 「列車」というのはもちろん「人生」の比喩のことを指しています。 ラストは「生まれ変わった」ということを言いたかったのでしょう。 生まれ変わってこれからあの死んだ男のような人生を送るということを暗示しているように見えました。その是非はともかく、後悔のない人生を送りたいものですね。 印象に残ったのはこのカッコいい2人の男は1人ぼっちで死にました(1人は生き返りましたが)。それをみて、どんな人生を送るにせよ、1人ぼっちで死にたくはないな、と・・・それだけは強く思いましたね。 面白い映画ですよ、これは。いったい自分はどういう最後を迎えるのか久しぶりに深く考えてしまいました。 【花守湖】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-08-29 21:29:04) |
《改行表示》12.北野映画はキタノブルーっていうらしい。この映画も蒼色映画です。二人が姿形は全然似てないのに最後になっていく程似てきたのも面白い。 ↓の通りシューマンについてのセリフもすごく興味深かったし、音楽もすごく良かった。 【さら】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-08-24 09:21:30) |
11.ブロンソン似のこの男、かっこいいなぁ。勘違い女が文句を言いにきて、軽蔑的な言葉を吐いても、平然と聞き流すその無表情さがたまらない。これで、ラストのわけのわからんシーンさえなければ、よかったのにな。 【駆けてゆく雲】さん [DVD(字幕)] 4点(2005-07-30 19:56:02) |