殺人の追憶のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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殺人の追憶

[サツジンノツイオク]
Memories of Murder
(살인의 추옥/Salinui chueok)
2003年上映時間:131分
平均点:7.22 / 10(Review 164人) (点数分布表示)
公開開始日(2004-03-27)
ドラマサスペンス犯罪もの刑事もの実話もの戯曲(舞台劇)の映画化
新規登録(2004-03-26)【鉄腕麗人】さん
タイトル情報更新(2023-10-24)【イニシャルK】さん
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監督ポン・ジュノ
キャストソン・ガンホ(男優)パク・トゥマン刑事
キム・サンギョン(男優)ソ・テユン刑事
キム・レハ(男優)チョ・ヨング刑事
ピョン・ヒボン(男優)ク・ヒボン課長
パク・ノシク(男優)ペク・グァンホ
パク・ヘイル(男優)パク・ヒョンギュ
チョン・ミソン(女優)カク・ソリョン
ソン・ジェホ(男優)
山路和弘パク・トゥマン刑事(日本語吹き替え版)
小山力也ソ・テユン刑事(日本語吹き替え版)
後藤敦チョ・ヨング刑事(日本語吹き替え版)
大塚周夫ク・ヒボン課長(日本語吹き替え版)
伊井篤史(日本語吹き替え版)
岡野浩介ペク・グァンホ(日本語吹き替え版)
石田彰パク・ヒョンギュ(日本語吹き替え版)
藤貴子カク・ソリョン(日本語吹き替え版)
長島雄一(日本語吹き替え版)
東地宏樹(日本語吹き替え版)
小島幸子(日本語吹き替え版)
立石凉子(日本語吹き替え版)
佐々木睦(日本語吹き替え版)
本田貴子(日本語吹き替え版)
白熊寛嗣(日本語吹き替え版)
脚本ポン・ジュノ
音楽岩代太郎(音楽&音楽監督)
主題歌河井英里エンディングテーマ “殺人の追憶”ボーカル
撮影キム・ヒョング
製作チャ・スンジェ
ノ・ジョンユン
配給シネカノン
美術リュ・ソンヒ
字幕翻訳根本理恵
あらすじ
1986年10月、韓国のある農村で若い女性の他殺体が発見された。残忍な殺され方を目にし、地元警察のパク刑事は早速捜査活動を始めるが、何一つ手がかりが見つからない。そして第二の犯行が行われてしまう。無理やりでも犯人を仕立て上げようとするパク刑事。そんな彼の前に、ソウル警察から派遣されたソ刑事が現れる。ソ刑事は全くタイプの異なる刑事。そんな2人と同僚達の必死の捜査の結果、重要参考人が絞り込まれるが、更に犯行は重ねられていく。 実話を元にした緊迫のサスペンス!
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90.この映画が描く当時、韓国は軍政下にあり、夜間は灯火管制が敷かれている。ある時間がくると村内放送が流れ、家々は戸口を閉ざし灯りを消しはじめる。映画の冒頭近くにおかれたこのシーンが、半ば過ぎに再び繰り返される。犯人が女性を襲うとき、この放送が流れるのだ。助けを呼ぶ声はスピーカーからの放送にかき消され、人々は家の中に入り、次々と明かりが消えていく。
■時代背景の説明として登場した記号がサスペンスへと変容し、さらに、このような猟奇的な事件を招いた時代への批判としても機能しはじめる。ある物事の意味が変容し、重層的な視点、「歴史」という巨大な視点を獲得することの素晴らしさ。その緻密なる構成。■しかも驚くのは、この作品の犯人像である。未解決の事件だから、当然、その犯人がわかるわけがなく、またサイコサンスペンスにありがちなプロファイリングなる手段が犯人像を類推するわけでもない。何しろ未解決なのだ。犯人はまったくわからない未知の存在、ただその異常性だけが次々に暴かれていく。この犯人は人間ではなく、超常的な存在、悪意に満ちた幽霊なのではないか。「羊たちの沈黙」の「蛾」がまるで怖くなく、「桃」が滅茶苦茶に怖いのはそのためだ。「こんな事件、ソウルにもあったか?」という台詞は素晴らしく恐ろしい。■未解決事件の犯人は怖い、これはサイコサスペンスものの新たな発明だと思う。■そしてラスト。主人公の刑事が、20年という時を経て、映画の冒頭と同じ仕草を演じる。それは刑事が歩んだ歴史の重さを感じさせると共に、改めて、事件の神秘性、不可思議性をさらに高める。私たち観客は宙づりにされたまま、新たな謎と恐怖に陥れられる。■さらに私たちはファーストカットに登場した「少年」の意味に気づかされる。少年のアップからクレーンアップして展開される広い世界。そこは謎と狂気に満ちており、混沌とした世界と歴史の中を、犯人を捕らえることの出来なかった刑事とバッタを捕まえることのできたこの少年が、共に生きてきたことに気づくのだ。単なる猟奇殺人事件が、韓国が背負ってきた歴史と現在という重厚な意味を持つのはこの時だ。私たち日本人は、ただ息をのみ、ただ圧倒されるばかりである。この作品は韓国で大ヒットをしたという。日本からの答えが「踊る大捜査線」と「チルソクの夏」ではあまりに情けなくはないか。
まぶぜたろうさん 10点(2004-05-07 13:16:44)(良:6票)
89.130分の映画がこれほど短く感じたことは珍しかったです。 画像が薄暗いセピア色で統一されていたのが幻想的な雰囲気を醸し出して非常に巧いです。ソン・ガンホの演技は初めて観ましたが、あの無能まるだしの田舎刑事役も、腹がたつと感じるよりも、なぜか親しみが持てます。もし彼以外の人間が同じ事をやったら、軽蔑や嘲笑の対象となるでしょう。 これは韓国の歴史や、韓国人の性質を知るための映画ではなく、「人間」を知るための映画だと思います。彼の顔はハンサムとはお世辞でも言えませんが、一度見たら、頭からこびりついて離れません。それだけでも俳優として才能があると思います。 それに比べて邦画の刑事映画は、宣伝ばかりに力をいれて、かんじんの作品は手抜きだらけです。 どうしようもありません。「どうして現場に血がながれるんだー」なんて言っている場合ですか!
花守湖さん [DVD(字幕)] 6点(2005-04-24 21:38:44)(良:2票)(笑:1票)
88.今まで観た韓国映画の中で一番すごい映画(あんまり観てないけど韓国映画)。未解決のまま終わるのに、ある意味、シリキレトンボで終わるのに、普通なら観終わった後、なんか中途半端でイマイチとか感じたりするんやけど、この映画はそんな解決してないという釈然としない気持ちさえも吹き飛ばしてしまうくらいの戦慄を感じた。しかも犯人を映画の中でまったく特定しない。なのにこれほど引き込まれるたんはなんでやろ?それは緊迫感をもりあげる音楽とか、実話をもとにってのとか、途中にあるドキッとしたり、背筋がゾクゾクするシーンがうまいってのもあるかもしれないんやけど、それだけじゃないんやろな。似たような映画は他にもあるねんけど、この雰囲気(昔の田舎の怖さ)、あの犯人が襲うシーン、怖すぎです。昔の韓国の田舎の警察ってものを飄々と冷静に演出するその感覚も引き込まれた要因かも。ずさんな捜査、捏造、被疑者への暴行、多分、観客のほとんどが、刑事ってこんなレベル低かったっけ?という疑問を抱かずにはいられなくなるはず。そら犯人つかまらんって。でも科学捜査が発達したアメリカの犯人との頭脳戦みたいな映画を観てると、こーゆうのほんと新鮮に感じる。そしてそこに時代的な匂いも感じる。それを盛り上げる演出のレベルも結構高いように思う。そしてあのラストの今でも犯人は普通の顔して普通に生きてるというなんともいえない不気味さ。観た後、かなり後ひきました。
なにわ君さん 10点(2004-09-15 16:20:59)(良:3票)
87.アーミーブーツに袋を被せる。土手の上から同僚にとび蹴り。風呂屋で捜査。自白強要。スナックで喧嘩。笑うに笑えないエピソードに笑っているうちに話は進む。そして再び事件が起き、だんだんと笑えない状況へ。草原を渡る風。薄暗い空。劇中の刑事たちと一緒に、我々のテンションも徐々に、真綿で首を絞められるようにヒートアップしていく。容疑者。雨が降りラジオで曲が流れる。しかし頼みの機動隊は学生デモ鎮圧のため来ない。次の日再び遺体が発見される。ボルテージは最高潮。そしてクライマックスで限界寸前に。かろうじて正気を保つ状態で映画は終わる。観賞後の何ともいえない複雑な感慨。刑事たちの怒り、悲しみ、無念、事件の不気味さ、恐ろしさ、混乱した時代背景に思いを馳せる。と同時にいい映画を観たなという一抹の爽快感。恐らく技術的に難しいことは何ひとつしていない。しかし完璧に決まったカメラワークと俳優たちの力強い演技が、どちらかといえば淡々としたストーリーに緊迫感を加える。あれだけのアップの連続に耐えられる俳優はそうはいまい。異様な迫力で我々の胸に迫る。残るものは実に重たい。名作を通り越した怪作。
わいえすさん 10点(2004-08-19 22:51:03)(良:3票)
86.80年代の自国を背景にした刑事たちの人間ドラマ。この映画の白眉はなんといってもオープニングとラスト。少年の顔のアップで始まりソン・ガンホの顔のアップで終わる。ひょいとバッタを捕まえる少年と必死になって犯人を捕らえられなかった刑事のコントラスト。ラストの少女の言葉「普通の顔だった」を聞き、ひょいと手が届くところにいる犯人を想うガンホの表情は見ている者に余韻を与える。特に同時代を生きた韓国民にはそうだろう。エンドロールのさわやかな空も、その空の下に潜む普通の顔した犯人を想像するとなんとも不気味な空に映ってしまった。
彦馬さん 8点(2004-04-12 21:18:51)(良:3票)
85.韓国映画には独特の泥臭さ、生々しさがあり、自分には合わないかもという先入観がありました。たまたま観た『オールドボーイ』がまさしくそのイメージどおりで、面白いけど味が濃すぎて胸焼けしました。ところが『僕の彼女を紹介します』『猟奇的な彼女』が自分の中でスマッシュヒット。韓国映画をまた観てみようという気になり、本作鑑賞の運びとなりました。泥臭さ、生々しさはやはり感じましたが、作品が持つ“熱”といった表現のほうが適切だと感じました。そしてこの“熱”こそが、韓国映画最大の魅力。泥臭さ、生々しさはすなわち“人が生きている”ということ。人をこれだけ強烈に描ける作品が面白くないわけがないのです。なかでもソン・ガンホ。彼の人間味の濃さは凄い!さらに本作は演出的にも素晴らしく(とりわけ間の取り方は絶妙)、前述の熱と相まって半端でない緊張感がありました。ラストも味わい深く、この類のストーリーでありがちな消化不良や物足りなさは一切感じませんでした。サスペンスというよりヒューマンドラマ。韓国映画恐るべしです。
目隠シストさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2006-09-05 17:47:52)(良:2票)
84.まったく性格の違う2人の刑事。最終的にはその性格がほぼ正反対になってしまうほどの消耗、落胆。想像を絶する。雨の夜の雰囲気が、身震いをするほど恐ろしく感じた。これが実話であるとは到底信じられない。いや、信じたくない。
最近韓国映画ばかり見ているのだが、とにかくユーモアとシリアスのさじ加減が抜群に上手い。脚本も素晴らしく、奇をてらった演出も少ない。男優は顔だけでなく演技も伴っている。女優さんはみんな綺麗で可愛いし。凄いぞ韓国。
赤毛のダニーさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2005-05-16 11:02:26)(良:2票)
83.ジャンルを問わず、描写の生々しさというのが韓国映画の最大の特徴とも言え、ひとつ間違うと悪趣味な印象を受けかねないものだが、本作にはその事がむしろ有機的な働きをしたように感じる。日常の何処にでもある田園風景から始まるこの作品は、実際に起こった未解決の猟奇的事件を基に、刑事たちの地道な捜査で容疑者を追い詰めていくという、サイコ・サスペンス的な要素を孕みながらも、純粋な刑事物語としての面白さを魅力たっぷりに描いた本年屈指の力作である。それはまるで初期の黒澤作品のような汗と脂でギラついた感触であり、ある種の懐かしささえ感じさせるほどの雰囲気を醸し出している。映画では、捜査方法や捜査の行き詰まりで感情が縺れ合う刑事たちの遣り場のない姿に焦点があてられているが、なんと言ってもソン・ガンホ演ずる、如何にもといった感じの泥臭い刑事ぶりは本作の白眉であり、捜査に対する苦悩や焦燥感を生身の人間として肌で感じさせる演技は見事と言う他はない。もがき苦しみながら、やっとの思いで追いつめた容疑者の逮捕を断念せざるを得ない彼らの虚無感・脱力感は、我々観客も味わう事となるが、見込み捜査のツケが廻ってきたことと、ハイテクの立ち遅れという当時の韓国の混沌とした社会情勢というものを痛切に感じさせるシチュエーションである。年月を経て、一筋の光明を見いだしたソン・ガンホの自信に溢れた顔は、まさに韓国の今を象徴しているかのようだ。
ドラえもんさん 9点(2004-08-27 01:30:54)(良:2票)
82.韓国映画は初鑑賞なので韓国の文化とか街並み、当時の社会の状況とかそれだけでも新鮮でしたが肝心の本編も最後まで画面に釘漬け状態で本当に久々の「面白い」サスペンス観られて大満足!役者達の演技はもちろんですがそれぞれの顔立ちも絶品です。思い付きと思い込み(?)で犯人を追うソン・ガンホの濃い刑事役はくどくもなくむしろ痛快さえ感じるキャラです。それと対照的な冷静に事件を推理する刑事のキム・サンギョンのソ刑事が後半につれ感情を剥き出しにしていつの間にかキャラ位置がソン・ガンホと入れ替わっているあたりも面白かったです。無毛症の銭湯の調査とか霊媒師に依頼したりとクスッと笑えるシーンもいくつか用意されたり畳み掛けるように出てくる事件の新事実(憶測もアリ)、何人かの容疑者のエピソードで全くダレる事ありません。エンデイングもしっかり後を引く演出が用意されていて秀逸。これを観終わってまず思った一言「日本もこれくらい面白いサスペンス映画を作れよぉ」
まりんさん 9点(2004-05-02 14:09:58)(良:2票)
81.結局真相は闇の中で、後は想像で補うしかない。このもどかしさが堪らない。
TAKIさん [DVD(字幕)] 7点(2017-09-12 01:46:30)(良:1票)
80.個人的には初めて見た韓国映画だけど、その後見た韓国映画と比べてももっとも面白かった作品です。本作よりもエグい暴力映画はいくらでもありますが、これほどまでに禍々しい感情がうごめいている作品も珍しいと思います。見てはいけないものを見てしまった気分になりました。それでいて誰でも楽しめる(?)エンターテイメントとして成立しているのも呆然とします。日本の「復讐するは我にあり」なども凄い映画だと思うけれど、一般受けする作品かというと違う気がするし・・・。最後まで見ると、なんてことない田舎の風景がまったく違ったものに見えてくる凄い映画です。
ゆうろうさん [映画館(字幕)] 10点(2014-02-07 10:32:19)(良:1票)
79.サスペンスというジャンルにおいてこの作品を超える映画はもう現れないと思う。
akilaさん [DVD(字幕)] 10点(2011-09-11 15:45:47)(良:1票)
78.これぞ映画を観る醍醐味。サスペンスものとして欠かせない展開の意外性、畳み掛けるような演出。加えて各人物の抱えるドラマ描写も怠り無く、画面から発せられる熱量がはんぱない。一緒にぬかるみに足をとられそうになる湿度過多な映像もみごと。凄い。ああ翻ってわが邦画。「シュリ」「JSA」でお隣に抜き去られた、と思ったんだ。その間ホラーなんかでちょっとちやほやされてる間にもう韓国映画の背中すら見えなくなってしまってる。
tottokoさん [DVD(字幕)] 7点(2011-09-02 11:26:06)(良:1票)
77.未解決事件を題材にしたことが、この映画の最大の価値のように感じます。
日本国内でも似たような事件で、未解決の事件が多くあり、世界各国でも同様に苦しみ、哀しみ、恐怖し、気が狂わんばかりに捜査している刑事はたくさんいると思います。
大事なのは事件を風化させないこと。すぐ近くに、普通に犯人は暮らしているだろう事実。その事を忘れ、犯人を見逃す事は、もしかしたら、その行為自体も罪になるのかもしれない...と見た後色々と考えさせられました。
見る方の受け取り方で変わるだろう内容は、とても評価が難しく、私自身は「6」としましたが、ノンフィクションが好きな方にはお勧めです。
sirou92さん [DVD(字幕)] 6点(2009-12-05 23:15:12)(良:1票)
76.未解決の連続暴行殺人事件がことごとく韓国の歴史の闇とリンクする。ことごとくである。そして物語構成に一切の無駄が無く全てが全てにからんでゆく。北朝鮮の侵攻に対する灯火規制と共に起こる事件。当たり前のように行われる警察の拷問と軍事政権下の国家権力に対する国民の怒り。怒りは容疑者から証人へと変わった男を警察から遠ざけ、またある時はデモ行進によって機動隊の出動を邪魔する。どちらが犯人か判別できないある事件の容疑者と被害者の兄の写真。あるいは都会刑事を犯人と間違うエピソード。刑事の自信と確信をことごとく失墜させてゆく展開はまさに何を信用すればいいのかわからない時代を写し取っている。強引なやり口を批判する都会刑事もまた闇に翻弄され自らを失ってゆく。そしてトンネルの闇に同化するように消えてゆく容疑者は時代の闇そのものだったのか。排水溝を覗くことの繰り返しは十数年という月日の流れの中で闇の時代が過ぎ去ったことを提示する。このあまりの完璧さに感心しながらも完璧であることに少々の不満も感じる。そしてこの完璧な構成を分りやすくする大袈裟で過剰な語り口がどうも苦手だ。まあでもボン・ジュノは社会派をエンターテインメントに紛れ込ませて見せるのがうまい。
R&Aさん [DVD(字幕)] 6点(2009-04-20 16:55:31)(良:1票)
75.俳優陣の演技力、圧倒的な展開力に脱帽。
実話を基にしたからといってここまでリアルに、そして緊迫感を維持するのは難しいと思う。
実話への脚色もリアルを崩さずより作品の重厚さを増すことに成功している。
素晴らしい音楽、洗練された映像。
鑑賞後に背負わされる大きな虚無感。
未解決事件と分かっていても、先を全く読ませない展開で画面から目が離せない。

ムダな台詞、シーンも自分には一切見当たらず。
今まで色々とサスペンス映画を観てきたが、この作品を上回るものが今後現れるかどうか。
おーるさん [DVD(字幕)] 10点(2009-02-15 23:41:33)(良:1票)
74.「グエムル」「ほえる犬は噛まない」そしてこの作品と見て、この監督さんは『韓国のまとまらなさ』を作品にまとめるのがとても上手なのではないかな、と思いました。3作共通して見えてくるのは、単純に正義や悪で物語を組み立てるのでなく、正義も悪も美も醜も何もかもが一つの個の中に渾然一体となって存在して、それが集まってひとつの世界、ひとつの社会を形成している状態。この映画での判らなさ加減、スッキリしなさ加減、混乱と惨劇と悲劇の中にブラックな笑いまでが織り込まれた状態、それは監督が自嘲的に思う韓国という国の姿なのかもしれません。86年という舞台は、今とは違う韓国の世界であった筈、なのですが、ここで描かれた空襲避難訓練は形骸化しつつも継続し続け、そして今、北朝鮮の核実験によって再び国が市民に訓練への参加を喚起しているニュースが流れるにつけ(街中を歩いている人々に警官が注意する姿など、この映画のまんまです)、韓国という国の抱えた問題はずっと尾を引き続けているのですね。もちろん、日本はそれを対岸の火事として眺めていていい国ってワケじゃないんですけど(だからって線引っ張って壁立てて武器構えてろ、っていうワケじゃないですけどね、勿論。小泉政権はそういう方向に持ってゆこうとしたんでしょうけどもさ)。
あにやん‍🌈さん [DVD(字幕)] 7点(2006-10-26 00:32:34)(良:1票)
73.このポン・ジュノという監督サン、自国の情けなさと、裏腹な自国への愛しさを描くのがすごーくうまい。ひるがえって日本の若手監督でそういう人がいるかと考えると、かなり心もとない。是枝監督なんて、「自分の映画で日本を論じてほしくないしそんな意識では作ってない」てな趣旨のことを言ってたもんなあ。そりゃ自由だけど、いいのか?それで。
【追記】是枝監督のパルムドール受賞で真っ先に思い出したのが、このレビュー。是枝さんがこれを語っていたのがどの媒体だったか、書いておけばよかった、と思っちゃったわ。何かのインタビューでこう語っていたんですよ。私はその時、ダメだ、是枝、と思った。今この発言について聞いたところで、今回の作品と矛盾はしない、と言うだろうけど、今回の「万引き家族」で自国の情けなさはきっと描けてるんだろうと思う。で、そこに愛はあるのか。あるからこそのパルムドールなんだろうけど、観てみないことにはね。その意味では、楽しみだ。だがしかし。パルムドールがなんぼのもん?!というのも、「うなぎ」で感じたしなあ。ま、とにかく公開したらすぐに観に行こうと思う。
おばちゃんさん [ビデオ(字幕)] 9点(2006-06-29 23:04:31)(良:1票)
72.うん、面白い。全然期待してなかったけど、凄く楽しめた。実は、まだ犯人が捕まってない、ということを知らないで観ていたので、映画で犯人探しをしてしまいましたよ。ところで、画面からは、のどかな風景か垣間見えて、気持ち良かったですね。ストーリーは、ちと微妙かもしれんが、上手く纏めていて、グイグイ引っ張っていってくれました。あと、どうでもいいことですが、韓国で飛び蹴りは、普通なんだろうか?w
瑞鶴さん [DVD(字幕)] 8点(2005-12-27 23:48:45)(笑:1票)
71.現実のファソン連続殺人事件自体が解決していないため、映画で犯人像に迫ることは難しい。観る前から、最後まで犯人は分からないってことがばれているのも、この映画にはとても不利な条件ですよね。しかし、観応えは十分。犯人の心情に迫ることを放棄した演出は、必然的に刑事の葛藤を徐々にあぶり出していきます。地元の刑事とソウルから来た刑事、ふたりの顔つきが、時間の進行とともに変わっていくところは圧巻です。傍若無人と沈着冷静、対立する立場で登場したふたりは、一方はやるせなさに絶望し、他方は反対に暴走し始め、次第にその立場が入れ替わりつつバランスを失っていく。青空の下、完璧なまでの、平和でのどかな風景が印象的でした。
アクシスさん [DVD(字幕)] 7点(2005-11-26 22:00:30)(良:1票)
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【点数情報】

Review人数 164人
平均点数 7.22点
000.00%
100.00%
200.00%
395.49%
474.27%
542.44%
62615.85%
74024.39%
84326.22%
92112.80%
10148.54%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 6.87点 Review16人
2 ストーリー評価 8.05点 Review19人
3 鑑賞後の後味 6.50点 Review18人
4 音楽評価 7.30点 Review13人
5 感泣評価 4.87点 Review8人
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