7.アメリカ映画を見ていると忘れた頃にその名が出てきて嫌でもある程度知ることになる、
アメリカ映画界にも大きな影響を与えたジョセフ・マッカーシーと赤狩り。
マッカーシズムと真っ向勝負を挑んだCBSのアンカーマン、エドワード・マローを主人公としながらも、
その対決の相手となるジョセフ・マッカーシー上院議員を演じる人はいない。
マッカーシーは頻繁に登場しますが、それは全て当時のモノクロのアーカイブ映像の中に登場する本人。
そしてエンターテイメント性を徹底的に廃し作品自体もモノクロにすることで、
本作のキャストが同じ時代で当時のマッカーシズムと闘っているような緊張感を生み出しています。
ジョージ・クルーニーが映画人として骨のある所を見せつけた佳作。
作品タイトルの"good night and good luck"、これはエドワード・マローへのこれ以上ないリスペクトであると思います。