《改行表示》16.これまでの安定感ある小津作品と違い、峻烈な印象を与えてくれる異色作。 ある港町を舞台にお話が展開する本作は、夏の風物詩がたっぷりと表現されており、 一座ののぼり、ポスター、花、調度などの鮮やかな色がワンポイントで画面に入ってきて、 映像がとても美しい。撮影技術が秀でているのか、目を惹く構図が多くて面白かった。 登場人物が多いにもかかわらず、主要人物や脇役に均等に出番があってバランスが取れており、 キャスティングも言うことなし。若尾文子と京マチ子の美しさには、溜め息が出るばかりだった。 しょーもない主人公のおやっさんの、侘しさや寂しさもそれなりに伝わってきます。 このあたりは小津監督の真骨頂かな。お薦め作品。 【MAHITO】さん [DVD(邦画)] 8点(2012-07-21 01:23:59) |
15.オリジナルの「浮草物語」は未見。本作は小津映画を見慣れてない自分でも、小津っぽくないというのが分かるレベルだった。それでも、軒下で口喧嘩をする場面など、随所に見られる美しさはとても印象的で、芸術性の高さは感じられる。一方、ストーリーは美しいどころかドロドロしている訳だが、京マチ子が杉村春子のもとに乗り込んでいく場面など、このニヤニヤしてしまうような面白さは何なんだろう…。中村鴈治郎、京マチ子などのほんまものの(と思われる)関西弁も心地良く、最後まで楽しく見る事ができました。 【リーム555】さん [DVD(邦画)] 8点(2011-08-21 00:09:47) |
14.ありゃ、意外と点数が低いですね。いい映画だと思いますが。定まった家のないヤクザな浮き草暮らし、もちろん金もない。それでも親であり女であるということを、とてもあざやかに見せていました。主要なキャストは鴈治郎をはじめみな好演していただけに、川口浩のぎこちなさが目立って残念でしたが。罵りあったりやたらと女をはたいたり、世の中の底辺で生きている人々ばかりが出てくるのに、ある種格調のようなものが感じられるのは、監督の手腕(人柄?)でしょう。終盤の展開は、人の心の襞を描ききって間断するところなし。グイグイと引き込まれます。製作会社がどうのこうのとかいうような先入観を持たなければ、普通に高く評価できると思いますが。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2010-04-01 11:05:24) |
《改行表示》13.レトロな映像は美しさを感じさせる。 しかしドラマは醜い。 間延びしたセリフ、内容が薄くダラダラとスローテンポな展開にはついていけない。 やたら暴言を吐き暴力を振るう糞親父を美化したストーリーは非常に不愉快。 【且】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2009-08-26 23:23:28) |
《改行表示》12.正直な感想になりますが、どうも、大映スターと小津さんが私には違和感を持ってしまう。私の頭が「小津」「小津」と固いまま鑑賞したせいかも知れないですが・・・・中村贋治郎と京マチ子が関西弁でああまで暴言吐いたり、叩くシーンなどは小津らしからぬ印象がありまして、戦前の「浮草物語」は、そのやり取りが「サイレント」だったからこそ味が出ていたのであり、露骨にやられると・・・という感じがありました。若尾文子、京マチ子も小津作品に出演していたという点では貴重ですが、真価を発揮しているとは言い難い。 【サーファローザ】さん [映画館(邦画)] 5点(2007-10-11 14:01:11) |
11.これ、本当に小津映画?中村鴈次郎に京マチ子に若尾文子に野添ひとみにって、どこをどう見てもどう考えても小津映画といより市川崑監督か増村保造監督の映画を見ているようなキャスティングです。しかし、内容はやはり小津映画らしい人間模様がしっかりと描かれている。ただ、小津映画は松竹の方が私は断然、好きだな!作品そのものはけして、悪いとは思わないし、よく出来ていると思うけど、私の大好きな小津映画とは何か違って見えた。 【青観】さん [ビデオ(邦画)] 6点(2007-09-30 13:56:32) |
10.小津さんの作品を実はそれほどちゃんと見ていません。昨年は、なんでも生誕(?)100周年だったそうで、そんなにありがたく感じなかった私ですが、この映画は、かなり面白く見ました。旅芸人が自らをものすごく社会的に下に見た表現に痺れます。女の嫉妬に酔います。落ちてゆく青年に参ります。小津さんって、ものすごく泥臭い人なんだなあとちょっぴり共感しました。 【如月CUBE】さん [地上波(字幕)] 8点(2005-08-09 01:03:33) |
9.小津作品には珍しく人間らしいドロっとした感じがしました。 |
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8.小津監督の作品でありながら爽やかさに欠け、むしろ下品な薫りが漂うのは大映の臭いなんでしょうか、それとも関西弁のせい?鴈治郎と杉村春子のファーストシーンって「小早川家の秋」(こちらの方が後だが)とまるっきり一緒?デジャヴーかと思いました。小津監督のリズムと関西弁はどうもミスマッチな気がしてあまり好きになれません。小津監督は東京と松竹が良く似合う。 【亜流派 十五郎】さん [ビデオ(吹替)] 5点(2005-04-24 00:57:44) |
【paraben】さん 7点(2004-11-26 00:17:31) |
6.唯一の大映作品というだけあって、今までにはない感じ。小津映画にしては台詞が乱暴だけど関西弁がそれをあまり感じさせない。京マチ子はジェラシーさが感じられてGood。全体的には34年版の方が好きです。そっちを先に見たというのもあるかもしれないけど。 【バカ王子】さん 7点(2004-04-08 20:11:40) |
5.私にとって川口浩とは探検隊長であり、役者しているのを見るのは新鮮。あとは京マチ子と若尾文子の妖艶さは今の女優には無いものを感じます。ストーリーは平凡なんですが、登場人物が皆関西弁なので東京人の私にはテンポよく感じられました。<追記>11年ぶりに再見。旅芸人というのはどれほど世間体が悪いのか、今の時代からは想像つかないが、堅気が良いとは思いつつも戻れずにヤクザな稼業を辞められないところは、ちょっと寅さん的な雰囲気はあるかな。関西ノリのガラの悪さには全く「粋」が感じられないけど。 |
4.有名な雨の中での軒下の口喧嘩シーンは、有名だと知らなかったがやっぱり印象に残った。いつもより構図の奇抜さ、カメラのローポジション具合が際立って感じられたのは、デジタルリマスター版だったからか、撮影が宮川一夫だったからか、それとも小津映画を久し振りに見たからか(笑)。結局は離れられない男と女と、結局くっつけない男と女と息子の、哀しい人間模様。ただ、清と加代の恋はあまりに唐突でうまくいきすぎって感じがした。若さゆえ、と言えばそれまでだけど。 |
3.中村鴈治郎のひょうひょうとした自然体の演技が良かった。浮き草暮らしの旅役者がようやく腰を落ち着けて家族と暮らそうと思っても長年の空白は埋められない。突然の父の出現に息子は拒絶反応をし母はあきらめたように寂しく見送るしかない。寂しい気持ちでまた旅の生活に戻っていく。若いときはともかく年をとってくると浮き草暮らしは辛くなり、どこかで落ち着いて暮らしたいという気持ちはよく分かる。この父の気持ちも母子の気持ちもまっとうなんだけど交わらないのが切ない。相棒の京マチ子が再び旅の道連れになったのはまだ救いがあった。一座での彼女の赤城山など見られるのも面白い。 【キリコ】さん 7点(2003-05-18 15:16:48) |
2.その時代の旅芸人の生活を知り、私にとって新鮮な映画でした。私の初めての小津作品です。 【てっつん】さん 8点(2003-04-17 02:58:34) |
1.1に構図、2に構図。3.4がなくて、5に構図。 【あろえりーな】さん 5点(2002-08-18 00:32:19) |