19.グリーナウェイの作品は全部見ていないのですが、これは最高傑作と言っていいのではないでしょうか。ひと言でいってゴージャス。ゴルティエの衣装を着ている、そして全裸のヘレン・ミレンの崩れかかった中年女の体つきがいっそう肉欲とエロスを増す。しかし人間というのは業の深い生き物ですな。ピュアなものを次々と汚していく罪深い存在だわね。豪華なレストランでの美食の数々、けれど裏にまわるとその残飯の山の凄まじさ、醜さ。これが強烈。ちょっとズレるけど、トリュフという地下性高級きのこ。これはブタの大好物で匂いを嗅ぎ付けて掘り出す。それを人間が横からぶんどるという方法で収穫するらしい。ダチョウの口に機械をあてがい、否応なしにとうもろこしをガガガーっと流し込む。無理やり太らせ肥大した肝臓がフォアグラだ。それが世界三大珍味だ。これって虐待だわね。ラスト、カニバリズムへと繋がっていくのがとても皮肉に感じました。マイケル・ガンボンのちょっと腫れぼったいような凶悪な目が脳裏に焼きついた作品でもあります。 【envy】さん 9点(2004-06-29 11:40:57) |
18.アクのある大盛りな映像が脳裏に焼き付いて離れない。 【rexrex】さん 5点(2004-06-29 01:04:44) |
17.作品が観る者を飲み込む。初っ端から釘付けになり、厨房、食堂、トイレのパーンで決定打!雑然とした画面が一気に白で埋め尽くされる。妻のドレスのなんと色っぽいことか。話が展開していくうちに、自らに潜んだものを刺激され興奮を隠せない。嫌なものも度を超せば好きに変わっちゃう感じです。イイもん観やした。 【れこば】さん 9点(2004-06-20 15:33:52) |
16.物すごい密度で話が展開して「あっ」という間に映画が終わってしまう。圧倒的。物語の構成も明快なので、グリーナウェイの中ではわかりやすいほうだと思います。映画がマイケルナイマンの音楽と一体になってグイグイ進んで、最後のオチも、グロテスクな衝撃と、懲悪的な満足を、両方いっぺんに満たしてくれる(笑)。グリーナウェイの最高傑作。10点、9点をつける人がたくさんいるのも当然だと思う。 どうでもいいことだけど、「レストラン&トイレ」の並びを見てると、キューブリックを思い出します。『シャイニング』のホテルのシーン、それから、ピカピカなトイレの映像は『2001年』の宇宙船の中のシーンを思い出させる(ピカピカなトイレの官能的なツルツル感って、宇宙船内の近未来的な雰囲気となんか似てるから)。ちなみに、このとき、ほとんどの人が初めてナイマンの音楽に遭遇したんじゃないでしょうか。こんな密度の濃い音楽があるんだとびっくりした。 それから、(これも関係ないけど、)わたしはグリーナウェイの映画って邦題がイカしてて好きです。この映画のタイトルは長すぎてあまり好みじゃないけど、あらゆる洋画の中でいちばん好きな邦題が、『建築家の腹』。ただ直訳しただけだけど日本語に直すと妙にイカすから。 【まいか】さん 7点(2004-04-03 15:02:26) |
15.グリーナウェイの映画は初めてだったので驚いた。 他にも観たけど、これが一番完成度は高いと思う。 (映画館) 【zero828】さん 9点(2004-03-04 21:57:07) |
14.当時ゴルチェ好きだったのと、レストランものが好きだったのと、邦題に惹かれてお気楽な感覚で観てみたら、エログロさに驚きました。突出している芸術性は認められるモノの、繰り返して観たいと思えない後味の悪さ。気楽に観れる作品ではないので、観客を選ぶ作品だと思います。 【n@omi】さん 4点(2004-03-02 00:04:51) |
13.食欲、性欲、暴力性などをダイレクトにエログロ色濃く描いている。下品にむさぼる食事はまるでノーカット映画のごとくグロテスクでした。人間の行為とは裏腹に舞台美術のような美しいセット、赤、緑、白、青、黄と部屋が変わるごとにライトも変わり人物の衣装も変わる。一流のコックの作る料理を下品に食べる粗暴な人間、学者でありながら不倫を繰り返す人間、人間の本性においてはなんら変わりないとは非常にブラックである。 【亜流派 十五郎】さん 9点(2004-01-18 23:47:32) |
12.この映画を観るという判断をした時点で、それなりにマニアックな人だと思うので、観た人の評価が総じて高いのはしかたがない。 私はとにかくレストランものが好きで、タイトルだけで選んだために面食らった。なんだ、これは。 重苦しい。息苦しい。焦げついたシチュー鍋の底みたいな映画。 食と性は根源にして原罪。そこに通じるグロテスクと悲哀が全編のダークさ、時折の原色で描き尽くされる。そう、「尽くされる」というにふさわしい徹底さ加減。 これはこれでいいと思う。私の好みでは断じてないが。 【よしの】さん 5点(2003-12-30 19:50:22) |
11.グリーナウェイ全開の作品。エロ・グロ・バイオレンス豪華絢爛。吐寫物や汚物、性欲食欲の有機物満載な映画なのにトータルで観るととても無機質な感じに仕上がってます。衣装もゴルチェでチョー豪華。ゴルチェスタイルのナースはたまりませんね。「ベイビー・オブ・マコン」と構成がとてもよく似てますね。この2作品が私的にはグリーナウェイのピークかなあ、なんて思ってます。 【としこふ】さん 9点(2003-12-19 22:27:58) |
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【虎尾】さん 9点(2003-12-12 23:05:31) |
9.映像は綺麗。性と食と暴力に拠る堕落。そしてタブーへ。ショッキングな割にテーマ性はそのあたりに落ちているモノ。自己追求からの表現手段はドレ?映像芸術とグロイ内容はリンクしてるの?ソウルがワカラヌ。芸術かもしれないけれどイラネ。 【夢の中】さん 1点(2003-11-16 02:01:18) |
8.ちょうど高校生になった時公開してて、その時衝撃的てした自分の中のNO.1の映画です。全てが完璧に構築されていてグロいけど美しい映画。ピーター・グリナーウェイの映画では一番わかりやすい。ティム・ロスがイイ味だしてます。 【チェッキー】さん 10点(2003-06-30 22:59:43) |
7.醜くも美しい映画です。映像、演技、音楽どれをとってもP・グリナーウェイ要素を含んでいて、冷淡で理不尽で滑稽で官能的。それを美しいと感じさせてくれるような世界観を放っていました。 【カルキ】さん 8点(2003-01-19 23:02:07) |
6.あまりにグロの世界なので当時見てびっくりしてしまいました。でもセットとか衣装とかの雰囲気、登場人物のコクはなかなか見ごたえがありますね。でももう一度見たいとは思えません。 【Jade】さん 5点(2003-01-18 22:37:28) |
5.あまりのコッテリしたどぎつさと残酷さに胃がヘンになりそうだった。だが、あのしつこいまでの横移動と絵画的な画面、ヘレン・ミレンの名演技とあの鮮やかな(文字通りの)幕切れには唸ってしまった。ちなみに私の友人はコレを題名からコメディと思って観に行って、あとで死にそうな顔で話していたのをよく覚えている。 【アンドロ氏】さん 8点(2002-12-24 01:34:25) |
4.評価というか、好き嫌いが真っ二つの作品でしょう。素材としてはかなり面白いと思いますが・・・性欲・食欲といった、人間の最も本能的な素材で作られた豪華料理が、次々とテーブルに運ばれてきます。それを食べきれなくなると、あっという間にテーブルがいっぱいになってしまう・・・私は15分でお腹いっぱいでした! 【クロマス】さん 2点(2002-12-16 13:48:41) |
3.P・グリーナウェイの中では一番好きな作品です。なんというか、ドグラマグラのような気持ち悪さが漂う。心理描写を芸術的に演出しているが、少しやりすぎな感もある。 【恥部@研】さん 7点(2002-12-13 19:16:46) |
2.アート感が漂う作品。それゆえ一般受けするものではないと思う。僕は現在の映画にあまりにもどっぷりつかりすぎたゆえにこのような作品を見るのは正直抵抗感がある。ある種の究極の感情を映画上で表現したければ俳優以上に映像面等で演出しなければならないのだろうか。だから話し以上に他の面が浮き立ちしすぎておもしろくないものとなっていると思う。 【K造】さん 5点(2002-07-27 02:15:50) |
1.なんでしょうね。この世界は。なんか全編通してものすごい緊張感があるんですよね。圧倒的な暴力と恋愛、そして黒い高級料理。共通しているのはある種の欲望、死の恐怖を克服するところのエロチシズムかなぁ。なんてバタイユみたいだ。まぁそれにしても、異界の大厨房で妙に物々しいおっさんたちがゴリゴリ、ガリガリとつくりあげる料理って、いったいどんなもんなんでしょうねぇ。腐った食材が錬金術的魔法によって美食に変化する~みたいな。 |