62.なんというか、形容しづらいんだけど、月並みな言葉でいえばリアルです。高校時代は実際ああいう息の詰まるような場所だったのかも知れません。陰鬱さや鬱屈、負の部分がかなり強く表現されています。独特のカメラワークと構成も光ります。後ろ姿から撮ることが多く、息づかいまで聞こえます。特にストーリーには関係ない人物であっても名前を出しているのは、単なる「被害者」のまとまりに終わらせないためだったのでしょうか。 時間軸が前後して、重なってくるのは好みでもありますし、「エリーゼのために」など、美しいシーンも印象に残りました。三人そろってゲロ吐くシーンも印象的でした。すごいなぁ。一つ一つ工夫されてるんだよね。 しかし一番疑問なのはタイトルです。なぜ象なんだろうか。 【Balrog】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-09-12 11:25:36) |
61.新しい恐怖の見せ方。とにかく緊迫感が物凄い映画という印象。 極力余計な演出を排し、学生達の日常を、カメラが後ろからただ淡々と追っていくだけ。台詞も本当に日常に溢れる、映画的意味の無いそれぞれの個人的な会話。 BGMもほとんど無い。 長回しも程があるのでは?と思うくらい、何も起こらずただ学生達が歩いているシーンが延々と続く。 しかしほとんど何も起こらない分、前置き無く突然登場人物同士の視界が交差した時、思わずドキリとさせられる。それは徹底してリアルな日常音とカメラワークが、作品全体に終始流れる不穏な空気を作り出しているお陰だろう。 登場人物の名前が所々挿まれるのだが、主犯2人もあくまで他の人物と同じ扱いで紹介される。 ありふれた女子高生も、家族に問題を抱える少年も、スポーツ少年、カメラ少年も、そして殺人行為に駆り立てられる犯人のような少年も、みんな同じ子供なのだ というメッセージをこめた演出なのだろう。銃が通販で簡単に手に入ってしまう世の中では、誰もが犯罪行為に走る危険性がある。危険は日常のすぐそばにいる。 キャストの自然なアドリブ演技も素晴らしく、鑑賞後考えさせられる作品だった。 ただ難点を挙げれば、ラストが唐突すぎて、せめて何かひとつ欲しかったというのが正直なところ。それと、初見でほとんど内容が把握出来てしまうので、2回目以降の鑑賞には堪えうるものでは無いと思う。 【おーる】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-09-05 10:26:19) |
60.短い上映時間だけに中身がスカスカだった。この手の事件は実際世界で起きているのは知っているが題材に映画化するならドラマ性が欲しかった。キャラクターの名前を出す必要があったのか? 唯一、虚しい空の画は無言のメッセージが伝わってきた気がする。 |
59.コロンバインの事件を題材にした映画は3つ見ましたが、頭ひとつ出ている。 【Nujabest】さん [映画館(字幕)] 7点(2009-02-17 02:30:38) |
58.現実的だけど非現実的、退屈だけど退屈じゃない、かっこいいけどかっこよくない、悲しいけれど悲しくない・・・・じつは矛盾であふれている現実をそのまま映画にしたかのようなガス・ヴァン・サントのぎりぎりの感覚が素晴らしい。大人になると美化しがちな学生時代ですが、その多くはたいくつな時間が占めていたことを思い出しました。映画としての楽しさに満ちているような作品ではないですが、「現実」に対して不思議なスタンスで立ち向かう監督の姿勢は、とても重要じゃないかと思うのです。 【ETNA】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-02-16 16:49:53) |
57.コロンバイン高校の乱射事件を題材にした映画ですが、映画単品として見るとなんともみどころが薄い気がします。時間が短い割に前半は何の変哲もない日常を撮るだけで退屈だし、クライマックスの方も淡々としすぎてイマイチ訴えかけてくるものが感じられないです。僕は好きじゃないです、こういうの。 【すべから】さん [ビデオ(字幕)] 4点(2008-03-21 12:08:33) |
56.あの日の出来事を忠実に再現しているわけではないという点を差し引いても、この映画の衝撃はなかなかのものでした。同じ人物を様々な角度から追い、さらに複数の人物のエピソードを幾重にも重ねることで、本当にごく普通の高校の日常風景にしかみえなくなる。そしてそんな中に突如、しかもごく自然に侵入してくる実行犯。ハッキリ言って何のメッセージも主張もない映画ですが、この映画自体が「ある日常の断片」であることを考えると、それはそれで正解だったのかもしれないです。 【とかげ12号】さん [映画館(字幕)] 7点(2007-06-09 16:34:30) |
55.レベルの高い映画だと思いますが、本当にあったことっていうのが恐ろしすぎる 【マーガレット81】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2007-05-29 21:36:26) |
54.それなりに雰囲気はあったけど、どうも展開がダラダラしてたような気がする。思い切って一時間ぐらいのノンフィクション映画でも良かったと思う。 【珈琲時間】さん [DVD(字幕)] 5点(2006-12-10 20:29:10) |
53.ガスバンサントがやりたいのだろうただ流れる時間の描写がこれは良い塩梅で効果を発して、淡白なのにはっきり緩急付いた良い出来だった。ゆっくり色々その場面について考えながら見られる映画。 【Vanilla】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-11-25 00:31:43) |
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52.永遠と退屈な時間を観させられた後の衝撃な事件。平穏な日々に潜んでいる恐怖、明日我が身に襲い掛かるかもしれない。そこら辺のホラーよりも遥かに怖いです。 【憲玉】さん [DVD(吹替)] 7点(2006-09-22 23:13:08) |
51.正直にいえば退屈だったけれど、これだけ殺伐とした気分にさせられる作品も珍しい。強い主張を感じるわけではないし、例の事件の実像を描ききれているとも思わない(そうであれば犯人の少年たちのバックグラウンドの書き込みがどうしても必要だろう)。ただただ絶望的な空気だけがあり、その意味では映画にしかできない表現だろうと思った。 ほとんどが普通の学校の映像なんだけど、日本のそれに比べると病院っぽくて温かみがない。最初から最後まで、日常生活という名の荒涼とした風景を見せられた気がする。殺人犯の二人の少年が「キスしたことがない」といってお互いの唇で感触を確かめる場面はどうしようもなく哀しい。 岡崎京子の作品で引用されている詩を思い出した。「ぼくらの平坦な戦場」ってやつ。 【no one】さん [DVD(字幕)] 6点(2006-08-03 13:15:06) |
50.エンドロールが終わっても、しばらく放心。最初に撃たれた男の子が撃たれる瞬間、犯人にカメラを向けたシーンが頭から離れない。 【ヴィン】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-06-22 01:47:49) |
49.背筋がぞっとしました。リアルすぎて観ていてつらい。心の闇、などという簡単な言葉で片づけてはいけない。 |
48.歩行する登場人物を後ろや前から延々と追うという撮り方とザッピングによって、実際にそこにいるような感覚や日常感は確かに高まっている。この事件を、見るものの感性任せの手法で撮ったことはおそらく正解でしょう。感じて考える映画。 【MARK25】さん [DVD(字幕)] 6点(2006-05-19 19:21:59) |
47.これ、丸投げですね。見せ方が上手くて、引き込まれ引き込まれのめり込みのめり込み、最後に気持ち悪くなった・・・あそこにいた気分。 【ジマイマ】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-05-01 23:34:03) |
46.映画としては確かに退屈。「フォーンブース」と同じ81分なのにもっと長く感じた。でも確かに今の時代って昨日までそんな兆候もない奴が、突然こういう事をする世界だから逆にリアル。色使いとかにこだわりはあるものの、説明も台詞も派手な構図も全く無い最初の1時間は眠い。でもこれが事実に基づいているという前知識があるから目が背けられない。ラストの「どちらにしようかなー」というシーンに恐怖のあまり鳥肌が立った。ゲームで人を殺す事に慣れている痛みを知らない世代の一部が巻き起こした事件を、ガス・ヴァン・サントはリアルに描いたのだと思う。学校生活なんて誰しも楽しいばかりじゃないし退屈。それをリアルに描くとこうして展開的には退屈になるのだと思う。犯人の視線での発砲も怖かった。だてにパルム・ドールを獲っていないと思う。でも何度も観返したい映画でもない。 |
45.生徒役は実際の高校生を使ってて、役名もほとんど本名だし、セリフはほぼ即興。 あんなに痛切な「エリーゼのために」も現場でアレックスが弾いてたのが良かったから採用、という具合にかなりラフな撮影現場だったみたい。しかも意味深なタイトルも同名映画から拝借したものらしい(DVDの特典映像より)。 でも要所要所で監督さんのこだわりが見えます。黄色いTシャツ、赤いトレーナー、青い空、などの色の使い方も好きです。 「観客に色々考えさせる作品にしたかった」ために、あえて”単調で退屈”な映画にした監督さんの意図をくみとれるかどうかがこの映画の評価の分かれ目だと思います。 日本でも同じようなありふれた高校生活(目立たない子を目立つ子がいじめる、というのも含め)で、あんな惨事が起きてしまうっていうのは、やっぱりあんなに簡単に手に入ってしまう銃の問題は相当なものだと思いました。 【69】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-11-07 15:47:04) |
44.この事件に関して個人的に深い関心を持っていたのでかなり期待していた。結果として劇場で二回観た。ストーリーはただ淡々と進むだけ。そこにメッセージは存在しない。ただ、終盤の展開は事件を知っていても知らなくても誰もが見入る強烈な映像の連続である。ボウリングフォーコロンバインは「銃社会」をテーマにしたイデオロギーの提示(押し付け?)だったけれど、この作品はその対極。全てをこちら側に丸投げである。どちらが好きかと問われれば断然こっち。メッセージ性がないというのは逆を返せば、観た側に思考する余地が存分にあるということだから。劇場に二回も足を運んだのは、もう一度観て、考えたいと思ったからかも。この映画を鑑賞後何も感じない、考えない人はいないと思う。思考強制の作品。中盤に少年の弾く「エリーゼのために」はあまりに儚く、美しい。 【スペクター】さん [映画館(字幕)] 9点(2005-11-02 01:01:54) |
43.自分の考えを押し付けずに淡々と事件をカメラで追うだけという姿勢は評価すべきだと思う反面、“映画”として撮ったからには何かを意図して作られているわけで、ただの再現映像ではなく監督の伝えたいことを盛り込むべきではなかったのかと強く感じた。 【和狗】さん [DVD(字幕)] 5点(2005-10-28 12:28:39) |