1.ベント・ハーメル監督らしい極寒の北欧の冬が舞台。聖なる夜の様々な事情を抱えた人間模様を描いた群像劇。
ある者は故郷へ向い、ある者は故郷を追われる道中。国籍も信仰も様々な人間模様。それぞれが抱える事情の中に、民族と紛争・宗教・貧困・老い・家庭崩壊など、現代社会の様々な問題を重くなりすぎることなく無理なく挿入していく。
イブの夜に誕生した新たな命、その一方で・・・。登場する全ての人にクリスマスの奇跡が訪れる訳では無いですが、ラストのオーロラは、それを見つめる2人にとっては新たな人生の希望の光のようです。冒頭ではあまりよく分からないそれぞれのドラマが語られるにつれじんわりと心が温まる。
90分にも満たない小品。そこにこれだけのドラマを挿入しながら急ぎ足になることなく、ゆったりとした味わいがあるクリスマス映画です。