4.息の長い活躍を続けるニール・ジョーダンの初期の作品ですが、この人の中ではかなり好きな作品です。
ムショ帰りのヤクザの下っ端の冴えない男。人生がうまくいっていない、そんな男のかなわぬ恋の物語。
この人の作品を空模様に例えるなら、晴天よりも曇天。しかし、作品を重くさせない優しさがある。
恋の物語の結末の後味は決していいものではありませんでしたが、
親友と愛する娘と3人並んで歩く後ろ姿。そこに流れる名曲“モナ・リザ”が重なるラストシーンが見事。
本作もニール・ジョーダンらしい空気が流れる作品ですが、
ムショ帰りのヤクザの男。だけど、憎めない。ボブ・ホスキンスの名演があってこその作品でもあると思います。