7.原作フリオ・コルタサルの数ページの短編を膨らましまくった作品あり、アントニオーニ監督の中でも最もポップに楽しめる作品だと思います。ストーリーの筋の良さというよりも、「芸術における現実とは?そして現実における芸術とは?」と、観ている側が自問自答するうちに訳が分からない世界に没入していく感じのサスペンスに仕上がっています。 |
6.サスペンスフルな哲学ワールドを、青いギンガムチェックのシャツと白いパンツ姿のD・ヘミングスが迷走する。花形ファッション・カメラマンの地位にも倦んだ彼がふと手にした1本のネガは、退屈な日常から奇妙な世界への扉の鍵となる。V・レッドグレーヴの謎の美女、クラブで演奏するツインリードのヤードバーズ、グルーピーよろしくカメラマンに纏わりつくJ・バーキンといった布陣も華やかに作品を彩るが、本質は極めて観念的。見えたもの見えないもの、在るもの在ったはずのもの。見慣れた風景も突如新しい顔を見せ、彼は自分が物事の表層しか見ていなかったことに気づく。わずか一夜でその世界はまた閉じるのだが、一度中に入った彼には開かれたままであり続けるのだろうか。オースティン・パワーズにも影響を与えたスタイリッシュな幻惑。(この映画のJPはまだ使用前て感じですが、ジェフは殿堂入りした今でもこの頃と全然変りませんね) 【レイン】さん [映画館(字幕)] 8点(2007-07-16 13:24:21) |
5.最初にお断りしておきます、ストーリーはよく理解できません。でもDVDを購入してしまいました。理由はストーリー以外のところが良すぎるから(笑)。ファッションオタクなら序盤の撮影シーンはヨダレものでしょう(ペギー・モフィットのゴテゴテメイクがカッコいい)。これ、約40年前の映画ですが、ライブシーンとか、俳優のファッションとか、ロンドンってあんまり今と変わらないように見えますね。今見てもおしゃれです。ロンドンのストリートファッションって「流行」じゃないんだなぁ。建物も変わらないしね。デヴィッド・ヘミングス、カッコいいなあ。ヴァネッサ・レッドグレーブ(若い!)きれいだなあ。申し訳ないんですけど、個人的にはモッズ期まっさかりのロンドンを切り取った貴重な映像として位置づけさせて頂いております。あ、チョイ役のジェーン・バーキンはまだ、やや魅力ないなあ。ゲンズブールに出会う前だからかなあ? 【ミカエル】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2007-01-05 22:07:49) |
4.え・・・今回、我輩が紹介する映画は『欲望(’66)』です。本作は色々な意味で凄いため、感想を上手く言葉に出来ません!よって多くの事はあえて語りません。ご了承ください。(中略) さて次に印象に残ったところを語っちゃいましょう。我輩のReviewを定期的に読まれている方、我輩がどういう人間かを大体知ってる方は予想が付くかもしれません。何々?付かない?それは困りましたねぇ・・・では、よ~し、バラシちゃいます。ズバリ、ヤードバーズのライヴであります!なんとぉ、、、ジェフ・ベック大先生、そしてジミー・ペイジ大先生が出てるじゃありませんか!コノ2人の競演が見られるだけで・・・我輩の様な重症ファンは失禁モノなり(笑)ジェフはギターを壊す!壊す!壊す!の3連発~!!!初めてギターを壊すシーン、見ました。そしてアンプも壊す!壊す!壊す!の3連発~!!!恐ろしいベック先生でした。ジミーは地味だな(笑)とはいえ細くてカッコいいよ!今じゃ・・・中国人説が流れるくらいアジア人ぽいオヤジになっちゃったからねぇ(苦笑)点数は合格ラインの8点です。もしエリック(・クラプトン)師匠が出てたら文句なしに9点!まあコノ時点で彼はバンドのポップ路線が嫌で脱退してて無理たけどね・・・あはは(苦笑) ≪追伸≫ ヤードバーズについて語るのは我輩と月子さまの2人だけですね。いやはや嬉しいですわ(?) 【ピルグリム】さん 8点(2004-08-11 20:58:48) (笑:1票) |
3.とても哲学的な映画ですね。真理の追究、意味、関係的と現象的、そういったことが要素としてあると考えられます。「人間は意味を求める動物である」とヴィクター・フランクルは言いましたけど、証拠や死体が消失する様はまさに意味の喪失だと言えます。トーマスは写真を並べて物語を構成し、意味付けを行う。それで殺人事件だと判断して、自分で公園に行って死体を見つける。だけど写真は盗まれ死体も消えてしまう。意味がなくなってしまった。それって不条理でしょう。現実というのは不条理の世界ですから。その後のギターを壊して、その破片を手に入れて外に出たら捨ててしまう、ていうのも、要するにあのライブハウスの中では貴重なものだという意味付けが、外へ出たらなくなって単なるゴミに変わってしまう。現実の不条理さを端的に表していると思う。その後で友人と死体を一緒に見に行ってくれと誘い、写真を撮ろうとする。これは現象的と関係的の要素があります。例えば、幻覚を見たら、それは関係的にはその幻覚で見えているものはないものだと言う事になるけど、現象的に言ったらあることになる。幻覚が見えている人にはそれは実存するわけです。トーマスは、自分の見たものは実際に存在するものだと証明するために、友人を誘って、写真を撮ろうとした。関係的証拠を求めた。だけど、断られ、一人で見に行ったら死体は亡くなってた。自分の見たものは果たして本当に存在したといえるのか?「誰もいない森で木が倒れたら音がするか?」というおきまりの哲学的問題がありますけど、この場合は、物的証拠がない場合、自分の見た殺人事件は、死体は、本当にあったと言えるのか?裁判だったら物的証拠がなければ裏付けがないので存在しないことになっちゃう。ラストの見えないテニスもそういう要素を含んでるし、最後は主人公がさーっと消えて終わる。あの最後によってこの問いが観客に向けられる。この主人公は、実際に存在したと言えるのか?例えば、世界には60億を越える人間がいるけれど、あなたはそのほとんどの人と出会ったことはない。出会ったことがない人を存在しているとどうして言えるのか?この映画は真理を求めようとして意味を喪失してしまうなんとも不条理な映画です。だから僕がこうやってこの映画に意味付けをしても、この映画はするりとその意味付けをかわしてしまう!まるで救い上げようとしても、手からこぼれおちる水のように。 【あろえりーな】さん 8点(2004-07-24 03:10:14) (良:2票) |
2.いいですねコレ。鮮やかな色彩と、静寂。ホントに「夢」の中にいるような感覚。おもしろいとは言いがたいけど、低い点はつけられないなあ。 【RITA】さん 8点(2004-06-05 11:53:28) |
1.ストーリーはまぁあってないようなモノですが。。。音楽と映像で5点位上がってます。メイクやファッションが60年代って感じでいいと思います。最後のシーンは特筆すべき美しさだと思うんですが。 【さみー】さん 8点(2003-04-21 21:25:28) |