1.知名度も日本での一般的な評価もそれほど高くない50年代のハリウッドメロドラマの巨匠、ダグラス・サーク監督。「風と共に散る」(8点)を観た時、その流麗なタッチが非常に自分と生理的波長が合うという印象だったんですが、この作品でもやっぱり観てて落ち着くというか何故かしっくり来る。理由は定かではない。単に相性の問題かな?「風と共に散る」では、脇役が主役喰うほどの活躍ぶりだったけど、この作品も何故かヒロイン、ラナ・ターナーの人生行路より、脇の混血故に乱行三昧に走る少女とその母親の苦悩の方がより真実味が有り際立ってますね。本来ならサブストーリーの筈が、後半になるとこちらの方が逆にメインになっちゃうオヤオヤという展開に。ラナの娘役、「避暑地の出来事」でブレイクしたサンドラ・ディー、「祇園囃子」の頃の若尾文子に頬のぷっくら加減が似ていてメチャクチャ可愛いっす!この作品がサーク監督の最終作らしいけれど、まだまだ馬力が有りそうな演出ぶりだっただけに不可思議。原題は「模倣の人生」、わかりずらいけれど映画を観終えた後だとなかなか含みの有る良いタイトルに思えて来ます。