1.久しぶりに一人で過ごす土曜日深夜。実はこの日はすでに3本も映画を観ていて、3本目のレイトショーを観終わって0時過ぎに帰宅後、一人晩酌をしながら、録画していた今作を何気なく観始めた。眠くなれば、途中でやめて寝てもいいやという気持ちだった。
思うに、ある映画を観て、その映画を「面白い」と思えるタイミングというのは、同じ人間であっても“あやふや”で、そのタイミングというものは、もはや「運命」だと思う。
休日前の深夜、一人でお酒を飲みながら、ニヤニヤしながらこの映画を観た。
このタイミングこそ、この作品を観るためのベストタイミングだったのだと思う。
酔っているので、前置きが長くなってしまったが、詰まるところ、物凄く良い映画にめぐり会えたと思う。
良い歳をして気持ち悪い程に仲良く二人で生活をする間宮兄弟。
その姿は、はっきり言って”非現実的”で、むしろこの映画はファンタジーなのだと思う。
ただ重要なことは、非現実的だとかファンタージーだということではなくて、「兄弟」という結びつきの普遍的な強さだ。
そして、そこから描き出されるのは、“男同士”という関係性の可愛らしさであり、滑稽さ、その素晴らしさだと思う。
映画を観ながら、自分に男兄弟が居ないことを、これほど残念に思ったことはないなと思った。
奇しくも、この日、同じく森田芳光監督の1983年の作品「家族ゲーム」を観たばかりだった。
20数年の月日を越えて、同じ映画監督が描き出した「家族」の映画を観たということ、これもまた感慨深い。
主演の二人以外、キャストの予備知識を持たずに観始めたので、意外に豪華なキャスティングに驚いた。
それほど女優としての魅力を感じていなかった、沢尻エリカ&北川景子の二人が演じた姉妹が、とても良い味を出していて、良い意味で裏切られた。
そのあたりの要素も、この映画が素晴らしい作品であることを裏打ちしていると思う。