1.《ネタバレ》 冒頭の美しい自然に囲まれたロケーションと、それに呼応するかのような瑞々しい青春前夜の少年時代を過ごす主人公。だがある日、そんな日常は、親しかった幼馴染の少女が川で行方不明になってしまうことで崩れてしまう。
そして十数年後。このトラウマを抱いたまま大人になった主人公は、その負い目からか精神科医になった。父の葬儀に出席するため、田舎に戻った青年は、かつての少女の面影を宿す不思議な女性に出会う。
まあ、そんな一見サスペンスっぽい内容なんですが、実際はファンタジー要素で味付けされた人間(恋愛?)ドラマ。冒頭の引きは悪くないんですが、結局、青年期に現われた女性が、そのまんまの人物で、気付いてないのは主人公だけ。思わせぶりに引っ張っといて、あまりにも工夫の無い展開とオチに脱力させられました。おまけに「ファンタジー」を免罪符に、彼女に関する説明がまるっきり無く、このいかにも「何となく分かるでしょ?」と言わんばかりのやり方は、手抜き一歩手前。雰囲気は悪くないんですが、やはり作品として展開に意外性が無いのと、この適当な演出が致命的な欠点。ドラマとしてもサスペンスとしても中途半端。