2.《ネタバレ》 とにかく色彩と映像感覚が素晴らしく、それを眺めているだけでも楽しめる作品。
特に青の使い方が凄い。
とにかく青、青、青にこだわっている。
かといって青をむやみに使いまくっているわけではなく、効果的に使っているから、そのセンスに脱帽だ。
映像そのものも透き通る様に美しく、アジアの情景を見事に映し出している。
主人公の女性は、特別美人とも思えないが、とにかく出てくる男が全てが下心丸出しで彼女に近づいてくる。
異国の女性が、子供を抱えながら生きていく為には、様々な事件に巻き込まれ、そして苦労をするハメになるというのが、この物語の主題の様にも思えた。
こういう淡々と進む作品ってのは、最後に衝撃のオチを持ってくるかしないと、終わらせようがないってのは分かるけど、ちょっと違和感のあるラストだった。
それでも、長回しで女性を背後から追い続ける躍動感あふれるラストは、とても新鮮で衝撃をおぼえた。
電車に飛び込むのでは?と予想していたので、普通に線路を渡った時には「やられた!」と思った。
彼女に殺人行為をさせるラストの展開には疑問を感じるものの、ラストの長回しシーンはとても印象的で、最後まで美しくまとまった作品だった。