4.欧州の著名な映画監督の、1950年代~1970年代にかけての作品を必死になって観まくっている昨今であるが・・・
この作品を落とすわけにいかぬ・・・という事で、意を決して『ピエル・パオロ・パゾリーニ ソドムの市』を鑑賞。
最初は避けて通ろうと心に決めていた作品であったが、意識すれば意識する程、観ずにはいられなくなってしまった。
しかし、それだけ魅惑的で、金字塔的な作品であるのは確かである。
さて感想だが。。
まあ、「汚い」ということで。
でも、それだけでは終わらない作品でもあった。
これは予想外。
とにかく人間の究極の欲望を追求した作品だ。
恥や外聞、道徳心、そういったモノを一切排除し、欲望の限りを尽くす“主人公”達。
しかし、現在の日本においては、「その手」のビデオや雑誌は簡単に手に入る。
ただ単にお下劣で下品な映像を観たいのならば、この作品を観る必要なんかないと思う。
ただ単に気持ちの悪い映像を追求しただけの作品ではないからだ。
それよりこの作品は、人間の奥底に眠る、もしかしたら誰しもが持っているかもしれない“変態的欲求”を表現しているのだ。
そういう観点で観れば、ただ単に「汚い映画」では終わらず、何かを発見できる作品となる「かも」しれない・・・