3. 原作はコレットの「ジジ」。これをアラン・J・ラーナー、フレデリック・ロウの「マイ・フェア・レディ」コンビがブロードウェイ・ミュージカル化(オードリー・ヘプバーン主演!!)しヒットしたため映画化したのが本作。オスカー10個は確かに作品レベルから言っても余りに過大評価過ぎると思う。オードリーに代わってヒロインのジジを演じたレスリー・キャロンに魅力が乏しく、歌曲も際立ったモノが無いのが致命的。滅びゆくミュージカルというジャンルへのアカデミーからのトリビュート的意味合いもプンプン匂う。特筆すべきはモーリス・シュバリエの名演。ホント、「昼下がりの情事」でもそうだったが、圧倒的存在感で実に味のある縁の下の力持ちぶり。惚れ惚れしてしまった。映画そのものは…まぁ7点が妥当な線。しかし、この1958年ってワイラーの「大いなる西部」やスタージェスの「老人と海」がノミネートすらされていないとは…。レベルが高いんだか、低いんだかオスカー選考基準ってヤツは今イチよく分からない。