1.《ネタバレ》 スポーツ感動系ドラマのお約束を踏襲しているため、それなりに纏まっています。ただしポイントがずれている気がします。主人公はダメOL。仕事はいい加減、私生活は不倫でグダグダ。彼女がダーツを通じて何を学ぶか興味があったのですが、「天職を見つけた」「本当の恋をした」以上の価値は見出せませんでした。人生が良い方向へ転換したのはおめでたいですが、別にダーツじゃなくてもよかったと思います。これではいけません。ダーツに必要な「集中力」「精神力」で彼女が人間的に成長しなかったら、この題材を扱った意味が無いと思うのです。ダメOLがダメなままでは情けないです。結果的に会社を辞めるのだとしても、まずは一人前のOLになること。遊び呆けた挙句に、仕事を投げ出したように見えたのはマイナスでした。特訓シーンはスローイングの反復練習に終始します。実際そうでしょうが、エンターテイメントの味付けが欲しいところ。ぶちまけた大量のボールペンを投げて片付けるとか、コピーで集中力を養うとか。OL業とダーツの練習を上手く融合できたら面白かったかと。困ったときの「汗」、恋心を表す「ハート」など、マンガチックな記号を用いた演出には、残念ながら疑問符が付きます。場当たり的でセンスが悪いです。また真剣に演技をしている女優さんにも失礼です。一番残念だったのはクライマックスのトーナメント決勝。あの決着のつけ方はナイと思います。真面目に観ているこっちがバカみたいでした。主演「逸見えみり」というヌルさが、そのまま作品に表れていました。自分はハッピーダーツよりハッピーターン(お菓子)の方が好きかな。小ボケ失礼。最後に如月さんについて触れておきましょう。強烈なルックスで主役を喰った巨漢女。本当にあんな感じのアイドルプレイヤーがいるのだとしたら……ダーツ界、恐るべし。