1.これはいい作品でした。
チープなCGや都合の良過ぎる展開や稚拙な演出といったB級テイストの安っぽさはあるけど、なんとも切ない感じがとても良かったです。
携帯の普及で現代人が失ってしまったものを時空の壁という制約によって再発見させられます。
その制約の中で切なく愛しい2人の関係が育まれていくのが感動的ですらありました。
作中に実在の店舗が登場するというのもなんだか感慨深くて、どう考えてもフィクションなんだけど、ほんとにあった話のような錯覚を覚えます。
特に松本楼のカレーライスは印象的で、機会があったら一度訪れて100年の歴史を味わってみたいものです。
それにしても、もう少しまともな演出だったなら夏帆の代表作になっていただろうと思えるだけに残念な部分も残るけど、そんな苦難も乗り越えてよく頑張ってましたね。
特にラストの成長振りには驚きさえあって、一年前にトイレで立て篭もっていた少女がこんなにも大人になったのかと感心させられました。
あと、スピンオフ作品として、東京おばあちゃんも作るべきでしょうね。