1.《ネタバレ》 1900年から1933年までを描く大河ドラマです。
イングランドを舞台にひとつの家族を中心に据えて各時代のエピソードを綴ったまさに年代記。
時代は移ろい人びとの状況は変化していきます。
メインの家族に関していうと、1900年には少年だった息子ふたりが失われて夫婦に大きく影を落とします。
映像の集積はさながら走馬灯。
長編ですが非常に散文的で、つながりや展開を楽しむ部分はほとんどありません。
基本的な内容が「この年にはこんな出来事がありました」なので見所は要所要所でのエピソード。
リアルタイムの観客には自分や家族と重ね合わせるシーンが必ずあったはずです。
そうした、過去を覗く鏡のような効果が作品の元もとの狙いでもあります。
従ってその時代に生まれてすらいない現在の鑑賞者が価値を見出せるかは疑問。
「蛍の光」の流れるシーンが印象的で、各時代を彩る多彩な音楽も魅力です。
33年作としては撮影技術、フィルム状態ともにハイレベル。